コロナ禍で深刻化する経済格差。反貧困学習などユニークな取り組みで脚光を浴びる大阪府立西成高校の生徒たちにも、その波が押し寄せている。同校の山田勝治校長は「いくら学校でセーフティーネットをつくっても、その先に待っている社会があまりにも冷たすぎる」と悔しさをにじませる。社会の在り方が変わらなければいけないと警告し続ける山田校長と共に、子供たちに必要な支援と学校教育のこれからを考える。(全3回の最終回)
独自の改革を推し進め、荒れていた状態から再生を果たした大阪府立西成高校。教員が並々ならぬ情熱で生徒たちと向き合い、ドラマのようなサクセスストリーを辿ってきたかのように見えるが、現実には一筋縄ではいかないことも多かったという。教員の異動や予算の限界などがある中で、公立学校が長期的に改革を進める上で、どのような苦労があったのだろうか。
ネットカフェ難民、日雇い労働者、シングルマザー……。大阪府立西成高校の「反貧困学習」では毎回、生徒たちが日々の暮らしと切り離せないテーマに向き合う。かつては教育困難校と呼ばれ、不当な差別や経済的な困窮に苦しみ、荒れていた生徒たち。「格差の連鎖を断つ」と打ち出した改革が功を奏し、学校全体が少しずつ変わっていった。そのきっかけは「教員の想像力」だと、同校の山田勝治校長は語る。
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