今、日本中の多くの学級で「クラスが落ち着かない」「授業が成り立たない」という声を聞く。公立小学校の教員だった頃は、そうしたクラスの立て直しを任されることも多かったという会津若松ザベリオ学園の高橋尚幸教諭は、学級崩壊の原因の一つに「クラスの気になる子に手を掛け過ぎている」ことを挙げる。子供同士が教え合う『学び合い』(編集部注 『学び合い』は上越教育大学教職大学院の西川純教授が提唱する授業法で、二重かぎかっこも含めた用語として使用されており、以降も『学び合い』と表記します)を実践し続けてきたことで見えてきた、これからの学校教育の在り方について聞いた。(全3回の最終回)
丸一日、時間割さえも子供たちに任せる――。果たしてそんなことが可能なのか、多くの教育関係者が驚くような実践に取り組んできたのが、この4月から活躍の場を会津若松ザベリオ学園へと移した高橋尚幸教諭だ。昨年度まで福島県と宮城県の公立小学校で教壇に立ち、約12年間、上越教育大学教職大学院の西川純教授が提唱する『学び合い』(編集部注 『学び合い』は西川教授が提唱する授業法で、二重かぎかっこも含めた用語として使用されており、以降も『学び合い』と表記します)に取り組んできた。多くの教員がぶつかる「子供たちに任せる」という壁を、高橋教諭がどう乗り越えてきたのかに迫った。(全3回の1回目)