前回紹介した裁判所の考え方に基づけば、教育上の目的達成に必要とも言えず、社会通念に照らして合理的とも言えない校則は違法です。「下着の色を確認する」「地毛を黒髪に染めさせる」といった校則は、ともすれば犯罪行為やハラスメントに該当する行為であり、どのような教育目的があったとしても許されることではありません。
校則は非常に身近な教育の話題であるとともに、誰もが議論しやすい典型的な学校の法律問題です。しかし、実は学校が校則を制定できると明記している法律はありません。憲法の人権保障の観点からは、人はみな個人として尊重され、服装や頭髪などを自分で決める権利が保障されていることから、憲法学者の中には「学校が髪型や服装に関する校則を制定しても、生徒はそれに従う義務はない」という見解を示す人もいます。
スクールロイヤーをしていると、いじめ、体罰、ブラック校則、労働問題など、学校ではさまざまな法律問題が生じていることを実感します。学校で違法なことが起きる原因について、弁護士や研究者の多くは教師が法律や子どもの人権をよく理解できていないことに原因があると考えています。確かにそうかもしれませんが、本当にそれだけでしょうか。
皆さんは「スクールロイヤー」という言葉を聞いて、どのような弁護士を想像するでしょうか。....
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