これまで、学校司書とスクールカウンセラーを例に、学校に関わる専門職に非正規が多いことによる問題を見てきた。公立学校に勤務する学校司書やSCは公務員であり、公務員の非正規化という視点で捉える必要がある。キーワードは2020年度から始まった会計年度任用職員制度だ。そして、そのしわ寄せは女性をはじめとする立場の弱い労働者に集まりやすい。第3回では、会計年度任用職員制度が公務員の雇用にもたらした負の側面を考える。
今年の春、東京都の少なくない学校現場では、スクールカウンセラー(SC)が突如交代するという事態が起きていた。東京都が採用するSCのうち、約250人もが、再び任用されず、公募でも採用されない、いわゆる「雇い止め」となり、代わりに新たに採用されたSCが配置されることになったからだ。雇い止めとなったSCの中には、何年もSCとしてキャリアを積み、学校や保護者と信頼関係を築いてきたベテランも多く含まれている。なぜこのような事態が生じてしまったのか。「チーム学校の亀裂」第2回は、この東京都のSC雇い止め問題を取り上げる。
今年に入ってから、教育新聞では全7回にわたるシリーズ「非正規教員の葛藤」で、非正規教員の現状に着目し、教員不足が生じる一因となっている非正規教員の問題を掘り下げてきた。その過程で改めて見えてきたのは、学校に関わる教員以外の専門職にも非正規職員が多いという実態だ。こうした教員以外の専門職にも目を向けなければ、職場としての学校の危機の全容を捉えきれないのではないか。そんな問題意識から、「非正規教員の葛藤」がひと段落した後、再び取材を始めることにした。
広告ブロック機能を検知しました。
このサイトを利用するには、広告ブロック機能(ブラウザの機能拡張等)を無効にしてページを再読み込みしてください