1963年4月10日の初版刊行から60年。『岩波 国語辞典』は、言葉の意味の根幹をおさえながら、たえず揺れ動く言葉の意味と用法をわかりやすく解説する編集方針によって、日本語の標準的な辞典として広く受け入れられてきました。
第八版では、社会・日常生活の変化に応じて、科学技術・料理・スポーツ・介護などにも目を配り、2200項目を新たに収録したほか、第七版までに収録されていた項目も全て見直し、語義も新たに追加、言葉の実際の使われ方を独自の語類表示や豊富な用例で示しています。
なんといっても、本書の特徴は、▽印の注記です。そこでは揺れ動いている意味と用法を分かりやすく簡潔に記述、日本語のいまが見えてきます。
言葉は日常生活で親しい人たちと話したり聞いたりするときに使うだけではありません。夏目漱石や太宰治の小説を読むときには、その時代の日本語と向き合うことになります。『岩国(いわこく)』が「百年の日本語」を対象とする理由のひとつがここにあります。
また、改まった場面でスピーチをしたりまとまった文章を書いたりするときには、いつもの話し言葉とは違う言葉づかいになります。「読む・書く・話す」さまざまな場面で、日本語を丁寧に使いたい人のお役に立てればと思っています。
第七版からひとまわり大きくした活字を、第八版でも引き続き採用、すっきりとした読みやすい版面はそのままです。
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