日本マイクロソフト株式会社 コーポレートソリューション事業本部 ソリューションスペシャリスト、元高校教員
Microsoft Teamsでは、対話の場を自在につくることができます。どんな人を参加させるか、その人数、グループに分けるのか、参加度合いは強制なのか任意なのか、誰に向かってしゃべるのか、全体なのか、個人なのか、グループなのか…。チャネルやメンションといった機能を使って、今までとは違った場づくりができます。特筆すべきは複数の場で同時にコミュニケーションを取ることができる点です。
初心に帰り、ICT導入の意味を考えていきたいと思います。私がMicrosoft Teamsを学校改革の中心に置いた理由は、これまで散々話してきた「伝達の効率化」や「働き方改革」のためではありません。これからの時代に必要な価値創造を促進する道具としてです。これは、教育の本質、先生の働き方、世の中の動きが一致する部分だと考えています。
最後は3回にわたって、ICTと授業についてお話ができればと思います。「校務の活用は分かった。じゃあ授業はどこから手を付ければよいの?」という質問をよくいただきますが、私は「授業活用を進めるには、まず全員での校務活用から始めてください」と答えています。納得がいかないかもしれませんが、実は授業活用ができている学校ほど、校務あるいは校務と授業のセットでICTの活用を始めています。
教員からの伝達以上に大変なのは、戻ってくる情報になります。今回は紙で行われている保護者会の出欠確認を例に考えてみます(小技④)。
今回は、具体的に働き方を変えていく方法についてお話したいと思います。ICTを使って改善できるものは大きく分けると伝達・集計・転記の3つになります。
意識しないセキュリティーによってさまざまな制約から解放され、学校現場は劇的に変わります。「アプリが使えない」「端末が動かない」「ネットが遅い」といった機能的な制約から生じる声は、機器に制限や負荷をかけずに安全性を高めることができるこの仕組みによってなくなります。
境界型セキュリティーと呼ばれる従来の対策は、意外かもしれませんが基本的には紙でのものと同じになります。例えば、成績情報が書かれた紙があったとします。安全のため、教員は職員室でしかその紙を取り扱ってはいけません。また、成績処理期間中は、教員以外の人を職員室に入れてはいけません。
今回から3回にわたって、最新の学校ICT環境とセキュリティーについてお話ししたいと思います。現場からはICTの利用環境に関する多くの悲鳴が聞こえてきますが、実はほとんどがセキュリティーに起因するものです。前任校の3つの改革で最も注力した分野で、今までと全く違った仕組みを整えることで、先生方の働く環境はもちろんのこと、生活すらも根本から変えていきました。
探究型の学校を目指すという先生方の共通認識が持てたものの、課題は山積みでした。体験したことがない学びを創り出すことは、まさに答えのない探究活動でした。多様な教育観を認め合い、相対化しつつ、いろいろなアイデアを出していくことで新しい教育は創られていきます。
私は現在、日本マイクロソフトにおいてクラウド製品群Microsoft 365の技術担当として、学校のICT化に携わっています。今回は弊社のWebサイトで公開している「働き方を劇的に変える ICT の小技10」に興味を持っていただいたことをきっかけに、先生の働き方とICTというテーマで連載を持つことになりました。よろしくお願いいたします。
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