東京大学大学院教育学研究科准教授。専門は比較教育学・国際教育開発論
今年3月、ベトナムの小学校で授業研究会に参加した。最も印象的だったのは、授業者と教師たちの柔らかな表情だ。研究授業は挑戦的なものだったが課題も多く、議論では厳しいコメントも出た。
日本で発展した授業研究は、いまや「レッスンスタディ」と呼ばれて世界に広まっている。プノンペンにある中学校でも、子どもが聴き合う授業づくりを目指して全教員で授業研究に取り組んでいる。子どもの3割強が中学校を修了できないカンボジアで、誰一人取り残さない・ドロップアウトさせない授業づくりを目指して、授業研究が活用されている。
カンボジアでは、問題の流出やカンニングペーパーの売買など、試験を巡るさまざまな不正行為が横行してきた。政府は汚職撲滅の象徴として不正対策に取り組んでいる。不正撲滅はカンボジアの学校に巣くう「影の制度」を破壊し、生徒たちが学ぶ意味を取り戻す戦いでもある。
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