今回は、幼稚園、保育所、認定こども園での教育・保育(以下「幼児教育」)において「哲学対話」がどのように位置付くのか述べる。 従来から幼児教育では「環境を通しての保育」を基本としている。小学校での教育のように国語や算数など教科ごとの教科書を用いて、日々決まった時間割に沿って学習するのではなく、園のあらゆる環境の中で遊びや生活を通して多様な体験をし、そこから学ぶものである。
こども哲学でファシリテーターを務める大人は、分からないことを確認したり、考えを深められるような質問をしたりする。この際、次の6つのこつを踏まえると、子どもが自由に自分の考えを述べ合う雰囲気が醸成され、対話が進んでいく。
今回は、学校外での小学生の「こども哲学」について取り上げたい。 全国各地の学校での取り組みが始まるのとほぼ同時期に、学校外でも小学生との「こども哲学」が試みられるようになった。 場所は、街中のカフェや、公民館・美術館といった公共施設。主催は母親たちや、各施設を運営している公共団体などまちまちである。
「子どものための哲学」(Philosophy for Children : P4C)は、1970年代に米国の哲学者マシュー・リップマンが始めた対話型の哲学教育だ。リップマンは「子どものための哲学推進研究所」(IAPC)を設立し、数々の教材やプログラムを創案した。 その後、IAPCで学んだ者らが中心となり、P4Cは世界各国で実践されるようになった。日本ではここ10年ほどで注目が高まり、授業などに取り入れる小学校が増えている。
前回、私の勤務校である高等専門学校(高専)で取り組んでいる哲学対話について紹介した。読者の中には「40人規模のクラスで円になっての哲学対話ができるなんて本当だろうか」「高専という特殊な環境でのみ通用するのでは」と思われた方もいるかもしれない。そこで今回は、授業に哲学対話を取り入れる上での私の工夫を紹介したい。
広告ブロック機能を検知しました。
このサイトを利用するには、広告ブロック機能(ブラウザの機能拡張等)を無効にしてページを再読み込みしてください