子供と接していると、これまでの自分の考え方や固定概念をぶち破られることが、たびたびあります。そのたびに私は、その子が自分の思いを教えてくれたことにうれしくなり、そしてその思いを尊重してあげたいという気持ちになります。するとその子も、私のことを一人の人間として、対等に向き合ってくれるのです。
私の子供の頃のキラキラとした記憶の中に、小学生の時に入っていた部活動で、お姉ちゃんたちからかわいがってもらったというものがあります。 私の家まで遊びに行こうと誘いに来てくれたり、「かわいいね~かわいいね~」と頭をなでてくれたり、ほっぺたをプニプニと触ってくれたり、頭のてっぺんから足の先までと言っても過言ではないくらい、全身全霊で愛でてもらっていました。
いもいもには、本当に多様な子供が通っています。考えることが大好きな子、おしゃべりが好きな子、勉強が得意な子や苦手な子、学校に行けていない子。そうした子供たちに対し、私たちいもいもスタッフが教室で何かを求めることはありません。
これまでお話ししてきたように、いもいも教室は勉強ができるようになるわけでも、成績が上がるわけでもありません。それでも、否、だからこそ、子供たちはいもいもがある日を楽しみにしています。
私が担当する教室は「あそび教室」と「てしごと教室」の二つです。初めて持ったのは「あそび教室」ですが、実はこの教室、一度改名していて元々は「てしごと教室」でした。なんだかややこしいですよね。初期メンバーは3人で、裁縫やものづくりをする中で、自分を表現する教室としてスタートしました。 初回の授業は、Tシャツに自由に刺しゅうでお絵描きをする、「オリジナルTシャツづくりをしよう!」という授業でした。
私が井本さんから学び、気付かせてもらったことはたくさんあります。私が教師にはならないと決めた理由が自分でも分からなかったという話を、本連載の第3回で書きましたが、もし、井本さんと出会っていなかったら、分からないままだったと思います。 自分自身と向き合い、考えることで「私は子供を評価、コントロールしたくない」という自分自身の考えに、気付くことができました。
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