日本で「韓国の教育」と聞けば、熾烈(しれつ)な受験競争をイメージする人が多いのではないでしょうか。もちろん、それも大きな側面ではありますが、一方でメインストリームの教育がストレスの高いものになっているが故に、そうでない教育=子どもたち主体の学びや協働的な学び、持続可能で平和な社会をつくっていける人を育てる民主的な教育=代案教育(オルタナティブな学び場)が、リベラル派の市民の間で強く求められている側面もあります。一定の条件をクリアした代案学校は、国からの認可を受けることもでき、公的補助が出ます。 日本では、不登校の社会問題化を背景に、1980年代中頃からフリースクールが生まれました。韓国で代案学校が増え始めたのはそれより10年ほど後になりますが、今では公的補助の存在など、日本より進んでいる部分もあります。 エコで持続可能な自治コミュニティーづくりを実践しているソンミサンという地域において、住民主体のまちづくり運動の中で立ち上がった「ソンミサンマウル学校」は、韓国の代案学校の草分け的存在です。……