東日本大震災から10年、学校教育はどう変わり、ここからどこに向かっていくのか。日本で初めて防災専門学科を設置した、兵庫県立舞子高校環境防災科科長の桝田順子教諭、3.11をきっかけに教育改革を進める新渡戸文化小中高校統括校長補佐の山本崇雄教諭、そして中学2年生で被災し、今年4月から教壇に立つ宮城県教育大学大学院の菊田佳那さんを招き、震災を起点にそれぞれの描く学校の未来の姿について語り合うオンライン鼎談(ていだん)を実施した。
震災復興と学校教育を考える企画の最終回は、全国の高校生に、原発事故の被災地である福島県双葉郡が抱える課題を「他人事」ではなく「自分事」として捉えてもらうことを目指し、「地域交換留学」という意欲的な取り組みを探究学習で実践した福島県立ふたば未来学園高校の3期生、渡邊美友さん(関西学院大学人間福祉学部社会起業学科1年生)の体験を紹介する。
全国の学校現場の一人一人に教師の存在意義を改めて問い直した、未曽有の大災害から10年が経過した。それぞれの教師が3.11をきっかけに始めた、新しい教育を探す旅の現在地は今、どこを通過しているのだろうか。教育新聞では、震災と学校をテーマにしたオンライン鼎談(ていだん)を開催した。
福島県立ふたば未来学園の実践を通して、震災復興と学校教育を考える企画の第2回は、事故を起こした東京電力福島第一原発が立地する双葉郡大熊町に生まれ、高校の探究学習「未来創造探究」で、地域住民たちと東京電力など廃炉を進める担当者たちがより深い対話に取り組む「高校生と考える廃炉座談会」を主宰し、地域社会にインパクトを与えた2期生、遠藤瞭さん(新潟大学理学部物理学科2年生)の体験を紹介する。
福島県立ふたば未来学園は2015年4月、東日本大震災と原発事故で深く傷ついた福島県双葉郡に、校名の通り、地域の未来を描くために中高一貫校として新設された。生徒たちのほとんどは小学生の時に被災し、避難生活の経験者も多い。そんな生徒たちに、同校は「変革者の育成」をスクールミッションに掲げ、課題解決型探究学習「未来創造探究」を柱に置いた独自のカリキュラムを提供してきた。
福島県浜通りの中央からやや北に位置し、海や山、川など豊かな自然に囲まれた浪江町は、福島第一原子力発電所の事故により、約2万1000人の町民が避難を強いられた。避難指示が解除されて1年後の2018年4月、新しい小中学校が開校。10人の児童生徒とともに新たなスタートを切った。児童生徒は現在30人にまで増え、町外から転入してきた子供、原発事故前の浪江町を知らない子供も増えた。
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