叱る場面で望まれる大人の姿勢は、子どもの目線に立って行動の理由に想いをはせることです。環境整備が足りないからそうなったのか、それとも禁止する理由が大人の都合だからなのか、あるいは本当に「駄目」と伝える必要があるのかを改めて見直すのです。これを踏まえて、叱り方のポイントは三つあります。
子どもに罰を与えたり、「駄目!」「やめて!」と頭ごなしに否定したり、感情に任せて一方的に怒鳴ったりというようなことは、避けたい叱り方です。「怒鳴ることは新しい体罰」と呼ばれるように、負の感情に任せて怒鳴りつける行為は、叩くのと同じくらい、子どもの素行や精神状態に悪影響を与えることが分かっています。
「おざなりほめ」でも「人中心ほめ」でもない、より効果的なほめ方について、3つのポイントを紹介します。
ほめ方で大人が一番やってしまいがちなのは、「すごい!」「偉いね!」と具体性に欠ける「おざなりほめ」、そして「さすが天才!」「いつも優しいね!」と能力や性格に集中するような「人中心ほめ」です。大人の「ほめることで伸ばしたい」という思いや語彙(ごい)力不足も手伝って、「どうしても、決まった言葉掛けになってしまう」という悩みをよく聞きます。一見ポジティブにも聞こえるこういった言葉を掛けたとしても、大人が期待しているような効果は得られません。
子どものしつけにおいて、いわゆる「アメとムチ」を使い分ける接し方は、ごく一般的に行われています。これは「条件付きの接し方」と言われ、子どもが思い通りに動いたときに褒美(例:物的褒美、ほめ言葉)を与え、そうでないときには罰(例:無視、非難)を与えながら、子どもをコントロールするやり方です。これに対して「無条件の接し方」は、行動の善しあしにかかわらず、対話をしながら子どもと解決策を見つけていくようなやり方です。
『ニューズウィーク』誌で「世界最高峰の教育方法の1つ」と紹介されるなど、レッジョ・エミリア教育は幼児教育の世界標準とされています。現在、世界145カ国で導入されていると言われ、カナダでは各地でレッジョ・エミリア教育の精神が幼児教育に取り入れられるなど、高い認知度を誇ります。日本でも数は少ないですが、インターナショナルスクールなどを中心に、レッジョ・エミリア教育を導入している保育施設は増えてきています。
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