学校教育に携わる方にとって、教室の環境や様子は慣れ親しんだものです。そのため、教室では黒板や紙の教科書と同じように、ICT機器も使うことができると思われるかもしれません。これは、ICTを活用した教育の方法という意味ではなく、メディアや機器という物の使い方においての話です。しかし、教室はICT機器などのディスプレーを用いることが、元々想定されているわけではありません。
ICT活用における子どもの健康で特に懸念されるのは、視力の低下と目の疲れでしょう。毎年、学校保健統計調査の結果が公表されると、裸眼視力1.0未満の子どもが増加したことが話題になります。2020年3月公表の調査結果では、小学校で34.57%、中学校で57.47%、高等学校で67.64%といずれも過去最多となり、年々増加傾向にあります。
子どもたちがデジタル機器を用いて学習するようになることで、眼精疲労や視力低下といった健康面への影響が懸念されています。私は、GIGAスクール構想以前からICTを活用した授業に取り組んでいる公立中学校において、子どもの健康面への懸念に関する継続した調査を行っています。この調査のポイントは、生徒と保護者の両方に協力していただいていることと、タブレット端末を使い始めてからだけではなく、使い始める前にも調査をしていることです。
子どもたちが学校で、1人1台のデジタル機器を使って学習する時代になりました。新しい情報メディアやディスプレーが実用的に使われるようになると、それらに対する期待とともに、使うことによる健康面への影響が懸念されることがしばしばあります。例えば、テレビやスマートフォンが登場して多くの人が利用するようになると、目の疲れや視力の低下が懸念されました。
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