前回、デジタル世代に身に付けるべき言語コミュニケーション能力は、基本的な言語知識と、それをデジタル空間、非デジタル空間の両方で、自律的、社会的、創造的に使っていける能力ではないかという提案をしました。では、そのような能力を子どもたちに身に付けてもらうには、どうしたらよいのでしょうか。
本連載ではこれまで、子どもたちを取り巻くICT環境が急激に変化していることを見てきました。では、このような状況の中、どのような言語コミュニケーション能力が必要とされているのでしょうか。変化の度合いが激しいので、具体的に記述するのは難しいのですが、変化に対応できる柔軟な能力であることは間違いありません。
人工知能(AI)は、私たちの生活の中でもおなじみのものとなりつつあります。AI研究は停滞していた時期もありましたが、深層学習という方法を導入することで、近年飛躍的な進化を遂げています。AI自動車も現実化してきましたし、お掃除ロボットを自宅で使っている読者の方も少なくないでしょう。子ども向けの社会ロボットも、いろいろなタイプのものが出回るようになりました。
多くの子どもや若者たちを夢中にさせているデジタルゲームですが、ゲームの歴史は古く、私たち人類はさまざまな知識やスキルを身に付けるためにゲームを使ってきました。ゲームに長時間没頭する我が子を見て、ため息をつく保護者も少なくないかもしれません。
第2回でも紹介した通り、デジタル世代は多くの時間をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に費やしています。実際、子どもたちの多くが、SNSに時間を使い過ぎていることを危惧しているというデータもあります。SNSは心の面への影響も少なくありませんが、ここでは言語・学習面に特化して、その影響を考えてみたいと思います。
前回は、デジタル上の読みと紙上の読みとの間では、基本的に違いはなくなってきたものの、紙の持つ身体性・物理性は現在のデジタル技術をもってしても、なかなか克服できないことをお話ししました。ただ前回の話は、デジタル上と紙上で同じテキストを読んだ際の違いについてであり、実際のデジタル上での読みはもっと複雑です。
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