物事の本質を捉え、言語化して世に問うのが哲学者の仕事だとすれば、その対象は現実社会のものにとどまらない。今、哲学者・山野弘樹さんが力を注ぐ仕事の一つが「VTuber(ブイチューバ―)の哲学」だ。教育の世界にもVR(仮想現実)技術が応用されようとしているが、VTuberという新しい文化を学問することにどのような意味があるのか。
グループで膝を突き合わせて話す前に、まず文章と向き合うことが対話の練習になると話す哲学者の山野弘樹さん。一方、教室の現場感覚からすれば、文章から情報を読み取ることの方が難しい生徒も多い。そんな山野さん自身も高校3年になるまでは、文章を「何となく」しか読んでいなかったという。
高校の新学習指導要領がスタートし、全ての校種で「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善が求められるようになった。意見交換や議論、先哲の考え方を手掛かりに自己の考えを広げ深めるのが「対話的な学び」とされるが、生徒たちは表面的なやりとりに終始していないだろうか。
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