「栄養教諭の役割の再確認」について文部科学省から、「新たな転機を迎えた学校給食における衛生管理」について専門家からの助言をいただき、安心・安全な学校給食の充実と改善に貢献できるよう、特集を実施した。また、文部科学省から令和5年度学校給食優良学校として表彰された学校の取り組み事例を現場発の情報として紹介する。
文部科学省より、「養護教諭及び栄養教諭の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則の参考例等の送付について」(2023年7月5日)を通知した。23年1月17日に公表された「養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議の議論の取りまとめ」を踏まえ、「養護教諭及び栄養教諭の標準的な職務の明確化を図るための小学校及び中学校(義務教育学校を含む)に係る学校管理規則の参考例」「養護教諭及び栄養教諭の標準的な職務の内容及びその例並びに職務の遂行に関する要綱の参考例」を作成し、その留意事項などと併せて通知している。栄養教諭がその専門性を発揮し本来の職務に集中できるような環境を整備していただくよう、通知において依頼している。
国内における食の安全性確保は2018年6月に通常国会で食品衛生法一部改正により国際基準であるHACCPに従った衛生管理が承認され、生産から消費までのあらゆる食に関する工程はHACCPによる衛生管理が義務化された。学校給食も規模に関わらずHACCPの考え方に従った衛生管理を実行することになった。しかし、学校給食では1996年に腸管出血性大腸菌O157による食中毒が7件発生し、患者数が9615人、死者数が5人の大惨事となった。この悲惨な食中毒を二度と起こさないために、元文部省は97年に「学校給食衛生管理の基準」を制定した。08年に本「基準」は給食法の改定に伴い、給食法に組み加えられ、強化した法規制とされた。
本校は、町内の3校が統合し、生徒数474人(各学年5学級、特別支援学級4学級)の中規模校である。まんのう町は、一昨年度、干ばつ時に雨乞踊として臨時に行われてきたまんのう町佐文地区に伝わる「綾子踊り」が、ユネスコ無形文化遺産に登録された。昨年は、コウノトリのふ化で新聞を賑わせたことでも知られる。近年は、ひまわりの団地栽培が活発に行われており、「ひまわりオイル」「ひまわり牛」など、ひまわりを活用した商品開発も行われている。小学校のときから地域とのつながりを大切にし、農作物の栽培風景の見学や体験活動が盛んだ。
本校は郊外の緑豊かな田園地域の中にある創立148周年を迎える歴史のある学校で、周囲には武家屋敷群など文化財や史跡も多く、教育的な価値の高い地域である。学校教育目標を「自他を大切にし、自分の課題に挑戦する子供の育成」とし、教育活動に取り組んでいる。敷地に隣接して学校給食センターがあり、栄養教諭が在籍している。地域には地場産物も多く、地産地消を多く取り入れた給食も本校の給食の魅力である。この環境的・人的利点を生かして、学校給食を通した「食を整える児童の育成」を目指し、関係機関と連携した教育活動を実践している。