特定非営利活動法人Protect Children~えいえん乃えがお~代表
2013年にいじめ防止対策推進法が施行されてから、9年がたちます。しかし、自死事案や重大化してしまう事案は後を絶たず、増え続けています。事案が公になると必ず学校や教育委員会が批判され、問題視されますが、そのような声が上がるのも一時的で、次第に事案は風化し、また新たな事案が発生して同じような現象が繰り返されます。
いじめは子どもたちの命や尊厳に関わる問題であり、教育行政において最重要課題と位置付けられています。そして、いじめはいつどこでも起こり得るとも言われています。しかし、実際にいじめは大人たちの目につきにくいところで起きることが多いため、早期発見をするのはとても難しいものがあります。
2013年に成立した「いじめ防止対策推進法」の第13条には、「学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする」と示されています。
私の元には連日、学校や教育委員会のみならず、先生個人からも相談が寄せられます。....
現在、子どもたちからの相談を平均で月50件ほど受けています。特に多いのはいじめ被害に関する相談ですが、ほとんどの子どもは「今すぐ助けてほしい」と言います。状況を聞くと「親と学校が話をしているけど解決しない」というケースも多く、中には自傷行為を繰り返している子どもや何度も「死にたい」と言う子もいます。
2013年に「子どもたちの命や尊厳を守るため」として「いじめ防止対策推進法」が制定されましたが、その後も子どもの自死事案や重大化事案が後を絶たず、増え続けています。当事者である子どもたちの認識や考え方・行動などを把握するため、22年1月11日~2月25日にかけて、約3万人の小学生・中学生・高校生を対象としたアンケートを実施しました。
いじめ問題が報じられると、必ず学校や教育委員会の対応が問題視されます。しかし、それを問題視したり批判したりする人々は、徹底した原因究明や調査をすることなく、また新たな事案が発生すると同じような状況が繰り返され、事案は風化していきます。
NPO法人として多数の相談を受け、中立の立場で対応していることから、今でこそ私はいじめを巡る実態というものが見えています。でも、以前の私はいじめ被害児童の親であり、学校や教育委員会に不信感ばかり抱いていました。全国で起きるいじめ問題が報じられるたびに、「やはり学校や教育委員会というのは問題が多い」と思っていました。
私がNPO法人として活動し始めてから日々、全国から寄せられる相談やサポート依頼のほとんどは、学校や教育委員会と保護者の関係がこじれてしまい、問題が重大化している事案や、解決できずに長期化してしまっている事案です。なぜ、このような状況になっているのか。
元を正せば私は、いじめ被害児童の親でした。息子の身に起きたいじめ問題が多数報道されたことで世間に知られ、同じような思いをしている保護者の方々などから相談を受けるようになりました。相談は日に日に増え、私は自分に何ができるか考えるようになりました。
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