コロナ禍で保護者が抱く子供の学校生活への不安が高まっている――。ソニー生命保険は3月2日、保護者を対象に実施した「子どもの教育資金に関する調査」の結果を公表した。コロナ禍の影響で家庭の経済状況が悪化し、教育資金の備えや保護者の教育熱など、さまざまな面で教育格差が懸念される結果となった。
コロナ禍で大学の対面授業が減っている中、萩生田光一文科相は3月3日の参院予算委で、来年度の各大学の対面授業の実施について、「対面授業が増えるなら、実家に戻った学生たちはもう1回、部屋を借りなければならないという事態も生じる。各大学の方針を明確に示していただくよう、学校と相談している」と述べ、対面授業がどれだけ実施されるか各大学の方針を急いで確認する姿勢を示した。
あの日、「津波を知らない私」が海で遊んでいたら、いま生きていないかもしれない――。岩手県釜石市で小学3年生の時に東日本大震災で被災した経験を持つ、静岡大学1年の髙橋奈那さんをゲストティーチャーに迎えて、「あの日から10年」をテーマにした防災授業が、静岡県富士宮市立富丘小学校(風間裕之校長、児童779人)でこのほど行われた。
森林空間を活用した学びのイノベーションを推進している林野庁は3月3日、今年度の「つたえる、感じる、つながる、森林×SDGsプロジェクト事業」の最終報告会をオンラインで開催した。パネルディスカッションでは、森林環境教育に携わる団体や教育関係者らが、学校における森林環境教育の普及についてアイデアを語った。
子供が虐待や性犯罪に巻き込まれる事件が後を絶たない中、児童虐待問題などに取り組むNPO法人「シンクキッズ―子ども虐待・性犯罪をなくす会」などは3月3日、子供の虐待や性犯罪の根絶に向けた要望書を、文科相らに宛てて提出した。記者会見した同法人の後藤啓二代表理事は「最近は特に教員など親密な者による性犯罪が目立っており、国が指針を策定した上で対策が必要だ。
児童生徒へのわいせつ行為で懲戒免職となった教員の再任を防ぐための対策として、懲戒免職または懲戒免職相当の解雇で教員免許状の失効・取り上げが行われたときは、その理由も分かるようにする教育職員免許法施行規則の改正案について、文科省は3月7日までパブリックコメントを募集している。
国立特別支援教育総合研究所は3月1日、学校現場が「インクルーシブ教育システム」の実現に向けた課題を可視化するために開発した支援ツール「インクルCOMPASS」を、同研究所ホームページで公開した。
小学校全学年の35人学級への移行に必要な国費や、学習者用デジタル教科書の促進事業などを盛り込んだ2021年度予算案が3月2日、衆議院本会議で与党の賛成多数で可決され、参議院に送られた。衆議院の優越を定めた憲法の規定により、3月末までの成立が確定した。参議院での予算審議は3日からスタートする。
学校で探究型のプロジェクト学習を実践するためのデジタルコンテンツ集「STEAMライブラリー」を、経産省が3月1日に無償公開した。第1弾として60を超えるコンテンツが用意され、同省ではGIGAスクール構想や新学習指導要領の全面実施を視野に、さらなる拡充を図る。同省の浅野大介サービス政策課長・教育産業室長は「教員同士で教科横断型の授業づくりのきっかけになれば」と期待を寄せる。 同ライブラリーは同省の「未来の教室」とEdTech研究会のSTEAM検討ワーキンググループの中間報告で提案されたもので、企業や研究機関が連携し、学際的なSTEAM学習のための教材コンテンツや指導案を収載した「オンライン図書館」としての機能を持つ。……
ポストコロナ期のニューノーマル(新たな日常)における、新たな学びの在り方を検討している政府の教育再生実行会議・初等中等教育ワーキング・グループ(WG)は3月2日、第6回会合を開き、ICTの本格的な導入や高校の学びの在り方などを巡り議論を交わした
子供の自殺予防について話し合う文科省の「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」がこのほど、オンラインで開かれた。子供たちの相談や支援に当たるNPO団体などのヒアリングで、家に居づらい子供の居場所として保健室など学校が一定の役割を果たしているとの報告があり、有識者から「自殺予防に、保健室など学校機能の強化も必要ではないか」との声が相次いだ。
2025年の大学入学共通テストで新たに「情報」の出題が検討されていることを受け、情報処理学会の「コンピュータと教育研究会」はこのほど、関係者による招待講演(電気通信大学、全国高等学校情報教育研究会後援)をオンラインで開いた。共通テストへの出題によって、日本の情報教育全体の底上げにつながるなどのメリットが示された。
総務省は3月2日までに、国立大学や国立高等専門学校の入学時に求められる保証人契約について、文科省に改善を通知した。総務省が実態調査を行ったところ、保証人に求める内容を保証書に具体的に示していなかったり、民法改正に伴う保証人契約における極度額の記載に対応していなかったりする事例があった。
萩生田光一文科相は3月1日、衆院予算委で、児童生徒へのわいせつ行為で懲戒免職処分を受けた教員を、再び教壇に立たせないための教員免許法の改正などについて、「今国会での法案提出は見送ったが、諦めたわけではない。こういった教員を2度と教壇に立たせないとの思いで制度を作っていきたい」と述べ、改めて法整備への意欲を示した。
小学校でのプログラミング教育の導入や大学入学共通テストでの「情報」出題の検討など、日本の情報教育が今、バージョンアップを迎えている。中でも中学校技術・家庭科の「技術分野」は、小学校と高校の情報教育をつなぐ重要な役割を担っているが、小学校や高校に比べると、あまり注目されていない。
マイホームの購入を例に、価値と価格の差を意識して賢い買い方を学ぶ消費者教育の授業が、品川女子学院中等部・高等部(仙田直人校長、生徒1279人)でこのほど行われた。生徒らは将来住みたい家を住宅ローンで購入する場合、どれくらいの収入が必要かを知り、自身のキャリアデザインに思いを巡らせた。
満10歳~満17歳の子供のインターネット利用率が年々増加し、2020年度には95.8%(前年度93.2%)となったことが、内閣府が2月26日に公表した「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」で明らかになった。校種別にみると小学生で90.5%、中学生で97.4%、高校生で98.9%。利用者の平日1日当たりの平均利用時間も年々長くなっており、20年度は約205分と、前年度より約23分増加した。
日本の子供の3割が「お口ぽかん」――。新潟大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野の齊藤一誠准教授らの研究グループはこのほど、全国的な大規模疫学調査によって、日本で初めて、日常的に口が開いたままの状態(口唇閉鎖不全)の子供がどれくらいいるかを明らかにした。地域差は見られず、年齢と共に増加傾向にあった。
新型コロナウイルス感染症対策のため10都府県に出されている政府の緊急事態宣言について、菅義偉首相は2月26日夕、首都圏を除く6府県を先行して2月28日に解除することを決めた。これに関連して、萩生田光一文科相は同日朝の閣議後会見で、部活動などを段階的に通常の活動に移行するとともに、卒業式など年度末の学校行事や春のスポーツ大会などについて、感染症対策の徹底を前提に「ぜひ実施していただきたい」と関係者に要請した。
学校が本格的に再開した昨年6月から今年1月末までに、新型コロナウイルスに感染した児童生徒は1万2107人、教職員は1586人となったことが2月26日、文科省の調査結果で分かった。昨年12月末時点の感染者数は児童生徒6159人、教職員830人だったため、今年1月の1カ月間だけで、新たに感染した児童生徒は5948人、教職員は756人と急増したことが判明した。
GIGAスクール構想による1人1台端末の整備が進む中、萩生田光一文科相は2月26日、衆院予算委の分科会で「せっかく公立の小中学校に1人1台端末の環境が整ったのだから、当然のことながら私立のみなさんも、同じような環境を整えていただく努力をしていただきたい」と述べ、私立小中学校にも端末整備を進めるよう求めた。
児童生徒へのわいせつ行為で処分を受ける教員が過去最多となる中、文科省は2月26日、都道府県・指定都市教委などが教員の採用にあたり、過去の懲戒免職処分歴を過去40年間まで検索して確認することができる新たな「官報情報検索ツール」を、各教委や学校などに提供し運用を始めた。
「口の中いっぱいに卵とバターの香りが広がります。おいしい!」――。教員志望の学生向けに、個性的な講義を展開する東京理科大学教育支援機構教職教育センターの井藤元准教授は2月25日、学生が「食レポ」に挑戦するオンライン講義を開催した。タレントの時東ぁみさんと漫才師の木曽さんちゅうさんを講師に招き、教員採用試験の面接や実際の教壇で生かせるパフォーマンス力について理解を深めた。
学校に通いながら、家族の介護や世話を負担している子供「ヤングケアラー」への対策として、厚労省は2月26日までに、新たに山本博司副大臣の下でプロジェクトチームを立ち上げる方針を決めた。学校教育にも関わる問題であることから、文科省初中局児童生徒課などとも連携していく予定で、ヤングケアラーの支援に向けた具体策を検討する。
通信制高校の課題について検討している文科省の調査研究協力者会議は2月25日、第7回会合をオンラインで開き、通信制高校の質保証に向けた対策と、オンライン授業の展開への期待などを整理した審議まとめ案について、大筋で了承した。通信制高校はICTを活用して個に応じた学びや支援を展開できると高く評価しつつ、不適切な学校運営や教育活動が行われている事例も一部に見受けられるとして、改善に向けた対策の強化を打ち出した。
コロナ禍で深刻化している社会的な孤独・孤立問題について、子供の貧困や自殺対策などに取り組む民間団体などから政府がヒアリングを行う緊急フォーラムが2月25日、首相官邸で開かれた。出席者からは「官民問わず受け皿となるネットワークが必要」「『つながり』をキーワードに、政府にコーディネーター役として推進する役割を果たしてほしい」などと意見や提言が相次ぎ、菅義偉首相は、近く関係省庁による連絡調整会議を設置する方針を明らかにした。
スポーツをきっかけに「ごちゃまぜ」な社会の実現を――。日本ユニセフ協会は2月25日、元サッカー日本代表の北澤豪さんらが出演し、インクルーシブな社会を実現するために、障害の有無にかかわらず、さまざまな人が一緒にスポーツを楽しむ意義を語り合うトーク番組「スポーツが実現する『ごちゃまぜ』な社会」をYouTubeで公開した。番組収録にあたり、北澤さんはパラスポーツを学校教育でも積極的に取り入れることを呼び掛けた。
国の方針に先駆けて、茨城県教委は今年4月から、県内の公立小学校・義務教育学校の5、6年生について、一部教科で教科担任制を実施する方針を2月25日までに決めた。学校現場からの希望が多かった算数、理科、英語を中心に、中学校の各教科の免許を持っている教員が担当する。県内全ての公立小学校で教科担任制を導入するのは、全国初とみられる。