第3回で述べたように、教頭や教員の仕事の一部を事務職員へ移行し、それぞれの負担を軽減させるために事務職員を活用している自治体もある。 しかし、諸外国に比べて日本の学校のノンティーチングスタッフの割合が極めて少ないことは周知の事実であり、この施策は事務職員の間でも賛否両論ある。わたしは、まだまだ担当できる業務はあると考えているが、全面的に賛成するわけではない。
言うまでもなく学校は教育活動が実施される場所だ。そして、教育の目的は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」(教育基本法第1条)である。その目的を達成するために、学校には校長や教頭、教諭などと共に事務職員が置かれ、その職務を「事務をつかさどる」こととしている(学校教育法第37条)。
中教審の議論に事務職員が登場する歴史は、実はそれほど古くない。初めてクローズアップされたのが1998年の答申「今後の地方教育行政の在り方について」で、前回紹介した「共同学校事務室」の前身とも言える「学校事務・業務の共同実施」が提言されたのである。これは、学校事務を効率的に執行するため、複数校を兼務させるなどして、学校事務やその業務を共同で行う施策だ。
縁の下の力持ち――。これはわたしたち、学校事務職員(以下「事務職員」)を表現する言葉としてよく使われる。わたしはこの言葉が好きではない。いや、正確に言えば「事務職員だけに当てる言葉としてふさわしくない」と考えている。
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