南極から日本に帰国し、高校教員としての日常を取り戻していく中で、武善紀之教諭は自身の変化を感じるようになったという。その思いはコロナ禍で中止が続いていた学校行事を復活させたいという生徒の思いとリンクし、文化祭の成功へとつながっていく。
南極を遠いところから身近なところへ――。そうしたコンセプトで計画した武善紀之教諭の「南極授業」のポイントは「崇高感」を出さないようにすることだったという。「南極はすごいところ」であることは、すでに子どもたちはさまざまなメディアを通して知っているし、コロナ禍で疲れた子どもたちに遠い存在と感じさせたくなかった。
日本から約1万4000㌔離れた氷の大陸「南極」。ここから毎年、現職教員が日本の子どもに向けて授業を行っている。文科省が国立極地研究所と日本極地研究振興会と連携しながら実施している「教員南極派遣プログラム」だ。日出学園中学校・高等学校の武善紀之教諭は2021年11月から22年3月までの間、派遣教員として第63次南極地域観測隊に同行してこのプログラムに参加した。
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