「記録を取って」「記録は大事だから」と日頃から繰り返し先輩教員に言われ続けてきたけれど、正しく書けているかどうか分からない――。学校現場から、よくそんな声を聞く。中でも子ども同士のトラブルや教室内での気になる言動をどう書き留め、校内で共有していけばいいのか不安になるケースは少なくないはずだ。今年5月に『生徒指導の記録の取り方~個人メモから公的記録まで』(共著・学事出版)を刊行した岡山県立大学の周防美智子准教授は、「これまでの記録の取り方では、教員の丁寧な子どもとの関わりは見えてこない」と危機感を持つ。周防准教授にインタビューの第1回では、現状の記録は何がまずいのかを聞いた。(全3回)