東京学芸大学准教授
いよいよ本連載も最終回となりました。コロナの感染拡大は、私たちの生活を激変させました。5月に緊急事態宣言が解除された後も、7月以降に再び感染者数が急増するなど、収束のめどは立っていません。
運動会・体育祭は、子供たちだけでなく、保護者も楽しみにしている学校の一大イベントです。特別活動の学校行事の中では、「健康安全・体育的行事」に位置付くものと言えます。学習指導要領には、心身の健全な発達や健康の保持増進、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成などが記載されています。
中学生や高校生の競技者が目標としてきた2020年の夏の大会が、次々と中止されています。中学3年生や高校3年生にとっては、学校生活最後の大会として練習の成果を発揮する場を失い、落胆している生徒も少なくないと思います。
萩生田光一文科相は、2020年5月22日の記者会見で「学校の設置者は一切気を緩めることなく、新しい生活様式を学校に導入し、リスクを低減する必要がある」と述べています。「新たな生活様式」では、感染防止の3つの基本として、「身体的距離の確保」「マスクの着用」「手洗い」が具体的な対策として示されています。
放課後体育教室の試みでは、オンラインでの体育指導への取り組みを通して、新たな可能性を見いだすことができました。しかしながら、オンラインを活用した体育指導には幾つかの課題が残されています。 まず、インフラ環境の整備です。映像を使って動きを合わせたりすることから、映像や音声の遅延が生じ、「だるまさんが転んだ」のように短所を長所に変化させることも可能である一方、多くの活動で支障が生じてしまいます。
コロナ禍において学校が休校措置となる中で、体育ICT研究会では4月27日から5月2日にかけて、家庭からオンラインで参加できる「体つくり運動と表現運動」と「VRを活用した体つくり運動」の遠隔体育を1日おきに3回、計6回実施しました。また、実施後は、この取り組みの成果を教員に普及していくことを目的として、教員研修会を実施しました。
私は体育ICT研究会の研究推進委員長として、遠隔体育の研究に携わって来ました。2019年度は、国内外の学校間を結んで、合同体育を行う授業実践に取り組みました。今回は、日本とマカオの学校間で行った実践について報告することを通して、オンラインでの体育の実践可能性について言及したいと思います。
運動・スポーツは、子供たちの習い事として大人気です。しかし、コロナ禍において外出自粛になると、そういった機会も持ちにくくなっていきました。今回は、このような中で取り組まれた2つの実践を紹介したいと思います。
学校が休校になり、オンラインを活用して学校と家庭をつなぐ試みが数多く実践されるようになりました。ある英国の有名なトレーナーが、「P.E. With Joe」と題して家の中でも活動ができるような動きを紹介し、それを子供たちがまねしながら運動する動画コンテンツをYouTubeで配信しました。この第1回配信動画の再生数が、なんと640万回を超えたということで話題になりました。
2015年9月に国連のサミットで発表された「持続可能な開発目標(SDGs)」の1つとして「全ての人に健康と福祉を」という目標が設定され、2030年までに実現すべき9つのターゲットが示されています。
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