【Withコロナ時代の体づくり(9)】「新たな生活様式」における運動会・体育祭

【Withコロナ時代の体づくり(9)】「新たな生活様式」における運動会・体育祭
【協賛企画】
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 運動会・体育祭は、子供たちだけでなく、保護者も楽しみにしている学校の一大イベントです。特別活動の学校行事の中では、「健康安全・体育的行事」に位置付くものと言えます。学習指導要領には、心身の健全な発達や健康の保持増進、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成等が記載されています。そこで、「新たな生活様式」において子供たちが身体活動を自主的・自発的に企画・運営し、仲間と共に運動に親しみ、社会とのつながりをつくり出す機会として、運動会・体育祭を実施することを提案したいと思います。

 運動会は明治時代後期、学校行事としてだけでなく、地域の行事としての側面も持ち合わせながら発展したと言われています。このような背景は現代にも引き継がれ、地域のお祭り的様相も兼ね備えており、中止になれば寂しい思いをする人も少なくないと予想します。

 運動会の持つこういった「地域のコミュニティーづくり」の特性を、オンラインを活用して実現できるのではないかと考えています。例えば、運動会種目のライブ配信を視聴することで、地域住民がその雰囲気を味わうことが可能になると思います。ライブ配信と連動しながら情報もリンクさせれば、さながらテレビでスポーツ中継を見ているような感覚も得られます。この中継の解説を子供が務め、情報発信すれば、学校での学びの共有にもつながると思います。

運動会での演技をオンラインで練習する子供たち
運動会での演技をオンラインで練習する子供たち

 現代の子供たちのなりたい職業の上位には、「YouTuber」が入っています。これは、動画配信をして広告収入を得る人を指します。子供たちにとって、大変身近な憧れの存在で、最近ではテレビ以上に視聴する回数が多いとも言われています。そうした子供たちの実態を踏まえ、運動会・体育祭とライブ配信を関連付けて、新たな身体活動共有のコミュティーづくりの場にしていくことも可能ではないかと考えます。

 現在、学校は大きな危機に直面しています。しかし、この危機を変革のチャンスと捉え、新時代の教育への転換に向けてのチャレンジに変えることができれば、学校はより良い学びの場として、将来を生きる子供たちにとって価値ある機会を提供することができます。今こそ柔軟な発想でICTを関連付けつつ、運動会や体育祭を変革し、新時代の体づくりを進めてはどうかと考えています。

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