10回の連載を通して、子供の心身の健康や発達、そして学びを視座に考えてきました。連載の大きなテーマにもある「学校保健のミッション」とも関連付けながら、振り返ってみましょう。
人は誰でも、自分で決めて実行したいという欲求を持っています。新型コロナ予防においても、子供たちが自ら決めて実践する機会を持つことが大切です。小学校のある養護教諭がインフルエンザ予防のために行った次の実践は、新型コロナ対策を生きた教材にする上でも、大変参考になります。
私は、学校における新型コロナ対策の主軸は「小まめな手洗い」だと考えています。 児童生徒が「しっかり洗うことの大切さを理解して」「しっかりした洗い方で」手を洗うことが大切です。全国一斉休校のときは、学校で指導する余裕がほとんどないまま休校になってしまいましたが、私たちの中学生へのアンケートによると、休校に入った後、子供たちの新型コロナへの予防意識は向上していました。
コロナ対策の一斉休校中や学校再開に合わせて、私がある中学校の養護教諭と協力して行ったアンケートには、生徒のさまざまな不安や学校へ要望の声がありました。コロナ禍で混乱する社会に向けた、生徒たちの願いと言っても過言ではありません。コロナ対策の中で子供は何を考えたのか、子供の視点で見ていきましょう。
感染予防対策と質の高い学びの調和を図って、いかに子供の成長を保障するか――前回、これがWithコロナの学校における重要な課題だと述べました。これは、「学校保健のミッション」でもあり、コロナ後を含めた学校の課題でもあります。
新しい学習指導要領が、2020年度から小学校、21年度から中学校で全面実施となります。今年度から全面実施となった小学校だけでなく、すでに全国の中学校や高校でも新しい教育課程に向けた取り組みや準備が始まっています。その目玉の一つが、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの授業改善」です。
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