前回は2005年以降の中央教育審議会(中教審)答申を概観しながら、12年の「学び続ける教員像の確立」が「教師の学び政策」のポイントになっていることに触れました。今回は「学び続ける教員像の確立」が、どのような形で具体化されることになったのかを見ていきたいと思います。
前回は「教師の学び」が強調される以前の政策に着目して、1980年代には「実践的指導力」が、1990年代には「資質能力の内容と過程」が強調されたことを確認しました。今回は「教師の学び」が、具体的な政策の中でどのように表現されているのかを見ながら、その意味するところを解説していきます。
「教師の学び」や「学び続ける教師」という言葉に違和感を覚える人は少ないと思いますが、これらが教員政策の中で強く語られるようになったのが、ここ15~20年間の特徴と言えます。特に2005年以降に、教師の資質能力の在り方やその向上策を提言してきた中教審答申や公表されてきた審議のまとめでは、一貫して教師が学ぶことや学び続けることの重要性が主張されています。
学校教育が社会にとって重要な営みである以上、誰もがその教育を担う優れた教師を求めます。とりわけ教育政策、学校教育現場または教育学や教員養成に携わる研究者の間では、どのようにしたら優れた教師を確保できるかが大きな課題として認識されています。
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