今回からは3回に分けて、プレゼンを組み立てる上で私が重視する3つの力、「考える力」「伝える力」「見せる力」を一つずつ、授業での様子も交えながらお伝えしていきます。まずは「考える力」。これはプレゼンの中身に直結する最も大事な「イイタイコト」を磨いていく力で、「広げて・深めて・選ぶ」プロセスが鍵となります。
2019年に日本財団が実施した「18歳意識調査」をご記憶の方もいらっしゃると思います。この質問に対して「はい」と回答した18歳が、日本は18.3%と、アメリカ65.7%、イギリス50.7%、中国65.6%、インド89.1%など他国の同世代に比べて著しく低かったのです。背景には「自分は何をしても無力だ」という「自己効力感の低さ」があると私は思います。
子どもの話す力を高める――これには幾重ものハードルがあります。 現在はコロナ禍によって、「黙る」ことが当たり前になっています。隣の席の子との会話制限、「黙食」する給食。子どもたちは、話すこと自体がどこか悪であるかのような意識で学校生活を送っているようにも見えます。
12年前の長男の初めての学校公開。静かな授業、正解ありきの問い掛け、板書を反射的に写す子どもたち。昭和の時代に私が受けた授業から時が止まったかのようでした。こんなに世界は変わったのに。ビジネスの現場で世界と日本を見てきた私は、強い焦燥感を覚えました。これから先、待ち受ける未来は予測不可能。だからこそ、子どもたちにはもっと「話す力」を身に付けてほしい――。
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