社会的孤立を防ぐセーフティーネットを意味する言葉として「居場所」が使われるようになって久しい。石井正宏さんが代表を務める「パノラマ」は、横浜市北部エリアで子ども・若者支援をするNPO法人だ。今から10年前、卒業生の進路未決定者の割合が高かった神奈川県の公立高校で、図書館を活用した校内居場所「ぴっかりカフェ」を立ち上げた。以来、毎週木曜日の放課後に無料のお菓子やジュース、時には温かいみそ汁を生徒に提供し、さまざまな困難を抱えた生徒が支援と自立につながる拠点としてカフェは学校に根を下ろしている。「ぴっかりカフェ」はどのように誕生したのだろうか。