一切の光を遮断した頻闇(しきやみ)の中を歩いて1945年8月6日の広島に思いをはせ、戦争と平和を考えるイベント「平和のためのダイアログ・イン・ザ・ダーク」がこの夏、広島県と東京都で開催される。
被爆者と平和活動を行う若者たちが交流し、核兵器廃絶や平和の意味を考えるイベントがこのほど、生活協同組合パルシステム神奈川の主催で開かれた。イベントには「高校生平和大使」を含む、6人の学生が参加。学生たちは2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会・事務局次長の和田征子さんの話に聞き入り、それぞれが「自分事」として捉え、学びを深めていた。
今から80年前、太平洋戦争末期の1945年3月10日未明、東京・下町に300機を超える米軍爆撃機B29が襲来して焼夷弾を投下、一帯が炎に包まれた。一夜に10万人が犠牲になったとされる東京大空襲だ。この戦争の悲劇を生き抜いた東京都国立市在住、88歳の二瓶治代さんがこのほど、東京都杉並区の区立八成小学校で6年生の児童に空襲体験を語り聞かせた。児童たちは何を学び、何を感じ取ったのか。
2025年は第2次世界大戦が終結してから80年に当たる年。日本では戦争のない平和な「戦後」が80年間続いてきた。一方、戦争体験者の減少、高齢化が進み、平和教育では戦争体験の継承が大きな課題となっている。戦地からの引き揚げの地となった京都府舞鶴市では、過酷なシベリア抑留体験を語り継ぐ活動に中高生、大学生が「学生語り部」として参加している。1月18日からは25年度の語り部養成講座も始まる。戦争を知らない世代は戦争とそれに伴う悲劇にどのように向き合い、どのように継承しているのだろうか。
京都府舞鶴市の鴨田秋津市長は10月30日、東京都千代田区のAP東京丸の内で記者説明会を開き、太平洋戦争終結後のシベリア抑留と、その引き揚げという苦難の歴史を発信する取り組みについて、「中学生・高校生を中心とした学生語り部による継承に力を入れていく」として、来年2025年の戦後80年に向けたイベントを東京都内でも開催することを発表した。鴨田市長のほか、学生語り部として活動する大学生も登壇し、若い世代による戦争体験継承の意義を強調した。
広告ブロック機能を検知しました。
このサイトを利用するには、広告ブロック機能(ブラウザの機能拡張等)を無効にしてページを再読み込みしてください