都立高志願者減 定員割れの背景に私学無償化か

都立高志願者減 定員割れの背景に私学無償化か
iStock.com/maroke
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 東京都中学校長会の進路対策委員会は1月7日、都内の公立中学校・義務教育学校に在籍する3年生を対象に、昨年12月に実施した進学希望調査の結果を公表した。都立高校を志望する生徒は全体の72.14%で、3年連続の減少。全日制志望者の割合は前年調査から0.09ポイント減の91.53%で、調査が始まった1976年以来最低となった。

 調査対象となった都内の公立中などに在籍する3年生は7万5333人で、前年度比1308人減。全体の9割に当たる6万8950人が全日制高校と高等専門学校を希望している中で、都立高校を第1志望としたのは前年度比1835人減の4万9445人と、3年連続で減少した。

 都立高校では近年、2次募集をしても定員割れとなる学校が相次いでおり、昨年度入試では全186校のうち20校が3次募集を実施していた。今回の調査で志望者数が入学定員数を下回る都立普通科高校は、男子が前年度比2校増の24校、女子が前年度比1校減の23校だった。

 都立全日制高校での志望倍率が高かったのは、男子では青山(2.19)、戸山(2.10)、石神井(2.03)。女子では広尾(2.45)、三田(2.37)、青山(2.27)。倍率が2倍を超えたのは男子で前年度比2校減の3校、女子で前年度比1校減の7校だった。

 一方、国私立や他県の公立高校を第一志望としたのは前年度比1.25ポイント増の25.35%だった。

 同委員会の斎藤真委員長は「私立高校の授業料実質無償化などを背景に、生徒の選択肢が広がったのでは」と分析している。

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