パワーハラスメントなど教職員同士のトラブルで、2018年度に懲戒処分や訓告を受けた32事案の詳細が1月17日、文科省で開かれた「魅力ある学校づくり検討チーム」の初会合で公表された。管理職が教職員に対し威圧的な言動をした事案や、終業後の宴席で不適切な言動をした事案などが目立った。
32件のうち懲戒処分だったのは9人、訓告などを受けたのは23人に上った。
懲戒処分の事案では▽高校教諭(減給10分の1、1カ月) 飲食店で送別会をしていた途中、同僚教員に向かってグラスを投げ、加療約1週間のけがを負わせた▽特別支援学校教諭(停職1カ月) 前任校で自校の女性職員に対し威圧的な言動を行い、同職員が精神疾患にり患した――など、被害教職員が深刻な状態に陥るものが並んだ。
訓告などの事案では▽小学校教頭(文書訓告) 新規採用者として着任した教諭に対し、複数回にわたり大声での叱責や厳しい口調での指導を行い、教諭の心身に大きな苦痛を与えた▽中学校副校長(訓告など) 飲食店の宴席で女性教諭に対し、心理的苦痛を与える不適切な発言をした▽高校教諭(訓告) 入試の実技検査中、メディシンボールが自身の頭付近に落下したことで感情的になり、検査後、受験生にボールを渡す係をしていた教員の頬を手でたたいた▽特別支援学校教諭(訓戒) 学年会で自己の感情を抑えることができずに、同僚教員に怒鳴るなどの不適切な言動をした――などの事案が挙がった。
同検討チームでは、2月に開催予定の第2回会合で、これらの事案や神戸市で発生した事案を踏まえ、教師間のハラスメント対策について検討する方針。さらに5月をめどに議論をとりまとめる。