厚労省は2月10日、障害児入所施設の課題について協議していた「障害児入所施設の在り方に関する検討会」の最終報告書を公表した。障害児入所施設の機能強化を図るため、特別支援学校や児童相談所との連携を強化。障害児とその家族を支援するソーシャルワーカーの配置を求めた。
障害児入所施設には、治療を受ける医療型と支援を中心とした福祉型があり、昨年3月時点で、福祉型は260施設に6944人が、医療型は268施設に2万1424人が入所している。入所者中、保護者からの虐待を受けた経験のある子供は3割を超え、18歳以上も一定の割合を占めている。
こうした状況を踏まえ、最終報告書では、障害児入所施設の機能強化を図るため、①家庭的養護の推進②育ちの支援と合理的配慮③専門的ケアの教科と専門性の向上④運営指針の策定、自己評価・第三者評価の整備⑤家族支援、地域支援の強化、切れ目のない支援体制の整備、他施策との連携――の5つを基本的方向性として掲げた。
具体的には、入所する子供のライフステージに合わせた、学校や児童相談所などとの連携強化、障害児やその家族が抱える問題について支援を行うソーシャルワーカーの配置などを提言。
治療を行わない福祉型障害児入所施設では、より専門的できめ細かな支援を実現するための職員の配置基準改善や、新たな施設類型として地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)の導入検討などを、医療型障害児入所施設では、医療的ケア児の支援充実や保育士の配置促進などをそれぞれ盛り込んだ。
同省では、最終報告書の提言を踏まえ、次期「障害児福祉計画」の支援充実策などに反映させる方針。