全国の高校生が学校対抗で科学の知識や課題解決力を競う「第9回科学の甲子園全国大会」の出場チームが決まり、科学技術振興機構(JST)は2月18日、都内で記者会見を開き、課題となる事前公開競技など開催概要を発表した。全国大会は3月20~23日にさいたま市で開催され、表彰式にあわせた特別シンポジウムには、2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローがパネリストとして参加する。
同大会は、科学好きのすそ野拡大と、トップ層の学力をさらに伸ばすことを目的に毎年行われている。高校1、2年生6~8人で構成する各都道府県代表チームが筆記競技(理科、数学、情報)と実技競技に挑み、その成績で順位が決定する。
今大会の代表選考には、全国696校8999人の高校生がエントリーし、激戦を勝ち抜いた47チーム367人が全国大会に出場する。初出場校は9校で、3チームが1年生のみで構成。全体に占める女子生徒比率は11%(41人)となった。また、「第7回科学の甲子園ジュニア全国大会」で優勝した愛知県の海陽中等教育学校の生徒6人も一部の競技に参加する。
今大会の事前公開競技は「『積んで埼玉』オートマチック台車によるブロック運び」。生徒4人でチームを作り、用意されている材料と工具で「オートマチック台車」を制作。時間内で運んだブロックの合計得点を競う。台車が発進したり停止したりするときに慣性力が働いてブロックが崩れないように、電気回路に抵抗を接続するなどしてモーターをブレーキとして働かせ、台車を滑らかに発進・停止させることが腕の見せどころとなる。
会見した茨城県代表・江戸川学園取手高校の中西優奈さんは「3年ぶりの出場となる今年は、チームにとって一生の思い出となるよう全力で取り組みたい」と抱負を語った。
初出場となる神奈川県代表・県立横浜翠嵐高校の勝呂碧さんは「先輩たちが頑張ってきて、ようやく初出場を果たした。全力で楽しんで優勝を目指してがんばりたい」と意気込んだ。