新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染拡大が深刻な北海道で、受験生の感染リスクに配慮して、後期日程の一般入試を取りやめる国立大が続出している。3月6日には北海道大学が、12日に予定していた後期日程試験の中止を決めた。道内の国立大では北海道教育大学、帯広畜産大学、北見工業大学、旭川医科大学も4日までに後期日程入試の中止を発表している。
北海道大学は3月3日の時点では後期日程試験を行う予定で準備を進めていたが、学内に勤める事務局職員の新型肺炎感染が4日に判明し、急きょ中止に踏み切った。受験生の合否判定は大学入試センター試験の成績のみで行う。
北海道教育大学は12日から13日にかけて後期日程試験を行う予定だったが、受験生の新型肺炎感染リスクを回避しながら安全に実施することが難しいとして、2日に中止を発表した。
教員養成課程の札幌校、旭川校、釧路校と国際地域学科の函館校は大学入試センター試験の成績と、受験生の出身高校が作成した調査書から合否を判定する。芸術・スポーツ文化学科の岩見沢校は音楽文化専攻と美術文化専攻で本来の実技検査に代わり、受験生から自己作品の提出を求め、選考するとした。
北海道教育大学の後期日程には1927人の受験生が出願していた。全国から集まる受験生の移動に際しての感染リスクも避けられないと判断。同学の入試担当者は「交通機関や宿泊費のキャンセル料が発生しないよう、早期の公表に努めた。受験生の負担をできるだけ少なくしたい」と話した。
帯広畜産大学と北見工業大学は、大学入試センター試験の成績と調査書の内容を総合的に判断して合否を決める。旭川医科大学は、大学入試センター試験の成績のみで選考する。