文科省は7月13日、「学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議」の今年度第3回会合を開き、携帯電話の持ち込みを引き続き「原則禁止」とした小学校においても、事情がある場合は例外的に認めてもよいという方針を明確に示した。
小学校でも持ち込みを認めるのは、登下校時の児童の安全確保や、遠距離通学・公共交通機関を利用した通学などで、緊急時の連絡手段として携帯電話を使わざるを得ない場合。保護者から校長に対し、許可の申請を行った上で承認することが考えられるとした。
ただしその場合も、校内での使用を禁止したり、登校後に学校で一時的に預かり下校時に返却したりするなど、学校での教育活動に支障がないよう配慮する必要があるとした。
また、前回の会合で「ルール作りなどを条件に容認」とされた中学校への携帯電話の持ち込みと合わせ、「学校や教育委員会内にとどまらず、児童生徒が話し合う機会を設けたり、PTAにアンケートをしたりするなど、児童生徒や保護者を何らかの形で議論に参加させることで、それぞれが主体的に考える機会を設ける」という内容を強調した。
ルールを自分ごととして捉え、自主的に守っていくためには、「生徒会などを中心に議論をしてルールを作り、さらに一度決めたルールを定期的に見直していくことで、その時の自分たちの状況に適した方法に変えていくことが重要」との指摘が委員から上がった。
今回の携帯電話持ち込みは、登下校時に緊急事態が発生した場合の連絡手段の確保を目的としたもので、スマートフォン、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)、子供向け携帯電話を対象とし、携帯ゲーム機やタブレット型端末は含めない。
この有識者会議は今回が最終回。同省は議論を取りまとめた上で、学校における携帯電話の取り扱いについて近く通達する。