データの利活用が社会的に重要視されつつある中、データサイエンス系学部がある大学でつくる「データサイエンス系大学教育組織連絡会」が8月20日、発足した。データサイエンス分野の専門教育の推進、専門人材の養成などを目指す。記者会見で、会長に就任した滋賀大学データサイエンス学部の竹村彰通学部長は「新しい学問ではあるが需要は高く、設置する大学が増えている。高校生の進学を後押ししたい」と述べた。
連絡会に参加するのは▽滋賀大学データサイエンス学部▽総合研究大学院大学複合科学研究科統計科学専攻▽長崎大学情報データ科学部▽一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部設立準備委員会▽兵庫県立大学社会情報科学部▽立正大学データサイエンス学部創設タスクフォース――の6大学で、今後も参加大学を募る。
データサイエンスは統計や情報科学などの手法を用いて、データから知見を引き出す新しい学問分野。AIやビッグデータの活用など、産業界をはじめ需要が高まっているが、米国などと比べると専門人材もその教育に関わる人材も不足しているという。
そのため連絡会ではまず、参加する大学間でカリキュラムなどに関する情報交換を行うとともに、文科省などにデータサイエンス分野の支援に向けた提言を行う。今後、教員養成に向けた事業も連携して行う予定としている。
竹村学部長は「まだまだ成長していく分野で、将来的には、日本の数十の大学にデータサイエンス系学部ができてもおかしくない。増えてくれば、進学への安心感も出てくるだろう」と語った。