熊本県教委は9月1日、児童生徒の28.7%が、新型コロナウイルス感染症に関する不安や悩みを抱えているとの調査結果を発表した。調査対象の、熊本市を除く県内の児童生徒約11万人のうち、3万2323人が学習や生活習慣、感染症そのものに不安を感じていた。
不安や悩みがあると回答した児童生徒を学校種別に見ると、▽公立小学校 1万7942人(32.2%)▽公立中学校(県立含む) 8354人(30.6%)▽県立高校 5674人(20.5%)▽特別支援学校 353人(17.8%)――だった。
不安や悩みの内容は、「新型コロナウイルス感染症そのもの」「学習」「体力」「進路」――などが多い傾向にあった。
公立小学校では多い順に▽新型コロナウイルス感染症 53.0%▽体力 29.0%▽運動会や遠足など学校行事 24.1%。
同じく公立中学校では▽学習 42.8%▽体力 36.6%▽新型コロナウイルス感染症 26.7%。
同じく県立高校では▽学習 46.4%▽進路 36.5%▽体力 29.3%――だった。
またスクールカウンセラーが児童生徒に行った面談のうち、3.8%に当たる70件が、新型コロナウイルス感染症についての内容だった。学校種別に見ると▽公立小学校 36件(全実施件数487件)▽公立中学校 9件(同771件)▽県立高校 25件(同573件)▽特別支援学校 0件(同5件)。
具体的な相談内容については、「感染症の不安からくる体調不良」「臨時休校から学校再開における不安」「コロナの影響による保護者の収入減と進学についての不安」などがあった。
同県教委は「感染拡大については、先の見通しが立たず、日常回復には程遠い状況にあり、心のケアが必要な児童生徒が増加することも考えられ、長期的な心のケアなどの支援が必要」とし、継続的なスクールカウンセラーの面談やスクールソーシャルワーカーとの連携を図っていくという。
同調査は6月の臨時休校明けから同26日にかけて、熊本市内を除く公立小中学校と義務教育学校、県立高校、特別支援学校の児童生徒を対象に実施した。