兵庫県教委は11月24日、体罰を行った宝塚市立長尾中学校の柔道部顧問の男性教諭について、「指導の範疇(はんちゅう)をはるかに超えている」として、同日付で懲戒免職とする異例の厳しい処分を発表した。現場でその行為を目の当たりにしながら止めに入らなかった副顧問の男性教諭は減給10分の1(3カ月)、指導・監督責任として男性校長も戒告処分とした。
懲戒免職となった男性教諭は9月25日、OBから差し入れされたアイスキャンデーを無断で食べたことに腹を立て、柔道経験の浅い1年生部員に寝技や絞め技をかけ、胸椎を圧迫骨折し、全治3カ月の大けがを負わせた。さらにもう1人の仮入部の1年生にも体罰を行った。同教諭は10月12日に、この行為による傷害容疑で逮捕されている。
処分の発表を受け、宝塚市の森恵実子教育長は声明を出し、「生徒に寄り添い、生徒の命を守るべき教員の体罰により、生徒の体に大きな傷を負わせただけでなく、心にも消すことのできない傷を残してしまった」と謝罪。
同市教委では、同教諭が前任校でも体罰による懲戒処分を受けていたことなどから、情報の引き継ぎを徹底するとともに、学校や教育委員会が教員の体罰行為について警察に告発する仕組みを検討するという。