新型コロナウイルス感染症対策のため首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言の期限について、政府は3月5日夜、2週間再延長することを決めた。これに関連して萩生田光一文科相は同日朝の閣議後会見で、「卒業式や修学旅行は子供たちにとって大切なもの。さまざまな工夫をして実施していただければありがたい」と述べ、感染防止対策の徹底を前提に卒業式などを実施してほしいとの考えを改めて示した。
東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に出されている緊急事態宣言について、政府は5日夜に開いた新型コロナウイルス感染症対策本部で、7日までの期限をさらに2週間延長して3月21日までとすることを決めた。
これに先立ち萩生田文科相は5日朝の会見で、「再延長の期間中に卒業式などの行事を予定している学校も少なからずあると思う。卒業式や修学旅行などの学校行事は、子供たちの学校生活に潤いや秩序、変化を与える大切なもの」と強調。
「卒業式は小まめな換気や参加人数を抑えるなどして、修学旅行は適切に判断した上で感染防止対策の事前指導や健康観察の徹底など、さまざまな工夫をして、ぜひ今年は実施していただければありがたい」と述べた。
文科省では、今年1月の緊急事態宣言の再発令に合わせ、全国の学校現場に新型コロナウイルス感染症対策の総点検を求める通知を、1月8日付で出している。その中で、部活動での感染症対策については、緊急事態宣言の対象地域では「学校が独自に行う他校との練習試合や合宿等を一時的に制限するなど、感染症への警戒度を高めること」を要請。「部活動終了後に、生徒同士で食事をすることを控えるよう特に指導を徹底すること」を強く求めた。
また、「感染リスクの高い教育活動」として、対面形式のグループワーク、理科の実験と観察、音楽の合唱や管楽器演奏、図画工作・美術の共同制作や鑑賞、家庭や技術家庭における調理実習、体育での密集や接触する運動――などに留意するよう求めている。