「人の可能性感じた」 首相、所信表明演説で学校訪問の所感語る

「人の可能性感じた」 首相、所信表明演説で学校訪問の所感語る
衆議院で所信表明演説を行う岸田首相(衆議院インターネット審議中継より)
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 第207臨時国会が12月6日、召集され、岸田文雄首相が衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。岸田首相は「国の礎(いしずえ)は『人』だ」と強調。愛媛県松山市の県立高校を訪問し、高校生に交じってタブレットを使った授業を体験したことについて触れ、「日本の未来を切り開く『人』の可能性を強く感じた」と語った。

 所信表明演説で岸田首相は、地域のデジタル化に関する車座対話の一環として今年11月、愛媛県立松山東高校で模擬授業に参加したことを明かし、「高校生に交じって、模擬授業を体験させてもらった。黒板とノートの代わりに、電子黒板と、1人1台配布されているタブレットを使った授業。初めての経験だった」と説明。

 「先生が出す課題に、オンラインで回答する。英語を読み上げ、録音で発音を確認する。次々と出される課題に戸惑う私に、少し困った表情を浮かべながら、一生懸命タブレットの操作を教えてくれたのは、隣の席に座った高校1年の生徒だった。まだ、授業で本格的に使い始めて間もないタブレットを使いこなし、受け身ではなく、自分から行動する姿に、日本の未来を切り開く『人』の可能性を強く感じた」と話した。

 また「人への分配はコストではなく、未来への投資だ」として、「保育、幼児教育の現場で働く方については、来年2月から3%、年間11万円ほど給与を引き上げる」と表明。さらに「日本の未来を担う『若者世代・子育て家庭』にターゲットを置き、その所得を大幅に引き上げることを目指していく」とした。

 岸田首相は他にも「子供中心の行政を確立するための、新たな行政組織の設置」や、「成長をけん引する科学技術分野の人材育成を強化するため、大学の学部や大学院の再編」に取り組むと語ったほか、新型コロナウイルス対策として「厳しい経済状況にある学生、子育て世帯に対し、給付金による支援を行う」と述べた。

 今回の臨時国会では、11月26日に閣議決定した補正予算案の審議を行い、2週間程度での成立を目指す。補正予算の一般会計総額は35兆9895億円で、文科省関連は総額1兆5487億円。都道府県単位で市町村教委や学校現場への技術的なサポートを担うGIGAスクール運営支援センターの前倒し整備や、小中学校や特別支援学校などで授業を受け持つ全ての教員への指導者用端末整備などを盛り込んでいる。

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