夏休みのアクティビティは特にない 生活困窮世帯の半数

夏休みのアクティビティは特にない 生活困窮世帯の半数
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 コロナ禍で生活に困窮している子育て家庭の約半数で、夏休み中に旅行などのアクティビティの予定が「特にない」と答えていたことが8月8日、子どもの貧困問題に取り組む「キッズドア」が行った緊急アンケートで分かった。GIGAスクール構想の実現で、学校で日常的にデジタル端末を使用するようになっている一方で、インターネットやデジタル端末を自由に使える環境にない生活困窮世帯も多いとして、キッズドアではこの調査を踏まえて、子育て家庭のデジタル格差の是正などを提言している。

 調査は7月5~12日に、食料品などの提供や就労支援、情報発信などを行うキッズドアの「ファミリーサポート」に登録し、今年夏の食糧支援に申し込みをした2084件の子育て家庭が回答した。

夏休みに予定しているアクティビティ(複数回答)
夏休みに予定しているアクティビティ(複数回答)

 夏休みに予定している旅行などのアクティビティについて複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「特になし」の49%で、次に多かった「地域の夏祭り・バザーなど」(22%)や「親の実家への帰省」(17%)などと比べても突出していた。

 また、学校でのデジタル端末の使用頻度では、「ほぼ毎日」が41%、「デジタル端末を使う宿題あり」が45%と、GIGAスクール構想によって日常的にデジタル端末が学習で使われるようになってきていることが伺える一方で、家庭にインターネットに接続されているパソコンがないと答えた家庭は46%、インターネット回線がないという家庭も11%あった。

 これらの結果を受けて、キッズドアは国に対し、①子ども関連予算の確実な増額②高校生の子どもを持つ家庭への支援の強化③コロナで減った家庭の収入を補う支援④子どもを持つ家庭のデジタル格差の是正――の4つを提言。

 キッズドアの渡辺由美子理事長は「困窮している子育て家庭がインターネットにつながれるかどうか、家庭にパソコンのようなデジタルのものがあって使えるようになるかどうかは、家庭全般の支援になる。子どもが将来どのように育っていくのかということで非常に重要なので、デジタル格差の是正をお願いしたい」と強調。夏休みのアクティビティの結果についても「いろいろな体験をさせて、子どもたちに楽しさや社会の広さ、自分の可能性を見せないと、将来に結びつかない。体験格差をなくしていくのが大切だ」と指摘した。

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