子どもの学びはGIGAでどう変わる? 保護者向けに体験会

子どもの学びはGIGAでどう変わる? 保護者向けに体験会
ジャムボードで意見を共有する作業に取り組む保護者ら(ミートで取材)
【協賛企画】
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 GIGAスクールによる端末の利活用が進む千葉県船橋市立飯山満(はさま)中学校(藤井武校長、生徒313人)で8月8日、端末を活用したオンライン授業を保護者が知るPTAの研修会が開かれた。グーグルのアプリを活用して課題やテストを体験した保護者らは「今回実際にやってみて、子どもが何をしているのかよく分かった」と納得。研修の講師を務めた同中の辻史朗教諭は「子どもの学びがどんどん変わっていく中で、保護者の意識が変わらないままであることに課題を感じていた。子どもがどんなことをやっているかを知ってもらうことは、今後より重要になる」と指摘する。

 この日の研修会には、20人ほどの保護者が参加。グーグル・ミートに入った保護者らにまず、辻教諭はGIGAスクール構想の狙いや日本の学校教育におけるICT利活用の世界的な位置などを解説。「教科特有の物事の見方や考え方、子どもたちの学び方、こういったものをどうやってファシリテートしていくか、設計・創造していくかが教員の役割になってきている。さらに最も重要になってきているのは学習者の自己調整力。子どもたちが現状、何が自分に足りていなくて、こういったことをやっていかなければいけないという自己調整をしっかりとしていかなければいけない」と強調した。

 その上で、保護者らは今度はグーグルクラスルームから、用意された課題に挑戦。付箋アプリのジャムボードで「PTA研修のアイデア出し」をやってみた後、グーグル・スライドで自己紹介スライドを作成。実際の授業でもこうしたアプリ上での共同作業が行われたり、教員がフィードバックのコメントを付けたりしながら学習が進められていることを実感した。

 後半では、グーグル・フォームを活用したテストやクラスルーム上での課題提出も体験。研修の最後に辻教諭は「学校の授業は少しずつ変化していて、大人が経験したことのない、子どもが主役の授業にシフトしてきている。授業参観もそういう視点で見てもらえたら」と呼び掛けた。

 研修に参加した保護者は「リアルタイムでみんなのやっていることが分かり、先生からもアドバイスが来るのはすごいと思った。学習がはかどりそう」と振り返った。別の保護者は「端末の操作は子どもの方が感覚的にやってしまうし、大人は『ミートって何?』と、追いつくのが大変。授業参観で子どもが端末を使っている様子は見えても、具体的に何をしているかまでは理解できなかった。今回実際にやってみて、子どもが何をしているのかよく分かった」と、納得した表情を浮かべていた。

 今回の研修について「本当は昨年度から保護者向けの研修会をやりたかったが、GIGAスクール構想が始まったばかりでその余裕がなく、ようやく今年できるようになった」と辻教諭。「子どもの学びがどんどん変わっていく中で、保護者の意識が変わらないままであることに課題を感じていた。例えば、子どもの端末を購入するときに、どんな学習でどう活用するかが分からないと、保護者も端末を選ぶことができない。子どもがどんなことをやっているかを知ってもらうことは、今後より重要になる」と指摘した。

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