全国知事会の文教・スポーツ常任委員長を務める浜田恵造香川県知事は8月9日、鰐淵洋子文科政務官とオンラインで面会。教職員定数の改善や教員の確保などについて、必要な施策と財源確保を行うよう提言した。鰐淵政務官は「いずれも重要な問題と認識している。文科省としてもしっかりと取り組みたい」と応じた。
提言は、7月28、29日に行われた全国知事会議で出された要望を取りまとめたもので、新型コロナウイルスの感染拡大により、社会の変化が加速し、予測困難な時代になっている中、一人一人の児童生徒がさまざまな社会的変化を乗り越え、持続可能な社会の作り手となれるよう、教育基本計画の推進や新学習指導要領の着実な実施が重要と強調。
教育について、▽財政的観点からの合理化ではなく、「チーム学校」を実現するため、教職員定数のさらなる改善▽少人数学級や教科担任制など、新しい時代の学びを支える指導体制を築くため、教員定数の一層の確保▽「社会に開かれた教育課程」の実現に向け、さまざまな外部人材の活用に必要な財源の確保――などを求めた。また、実施に当たっては地域の実情に応じた柔軟な学級編制と教職員配置が可能となるよう、必要な措置を講じることも加えた。
このほか、オンライン学習や部活動の地域移行についても言及。オンライン学習における負担軽減については、GIGAスクール構想で整備された端末などの維持更新や、家庭学習における通信費に対する財政確保を求めた。また、GIGAスクール運営支援センターなどの技術的なサポート体制整備に対する支援の継続も要望した。
部活動の地域移行に関しては、地域の団体などの体制整備や指導者となる人材の確保、地域でスポーツ・文化活動ができる環境の整備が急務であるとし、必要な取り組みの推進と財政措置を講ずることを提言した。加えて、地域移行の必要性、目的、スケジュールなどについて、広報を行うとともに、移行の手順や具体的な取り組み内容を早急に示し、地域の実情に応じて、部活動の地域移行が円滑に進むよう支援を求めた。