永岡新文科相が就任会見 こども家庭庁「司令塔の意義大きい」

永岡新文科相が就任会見 こども家庭庁「司令塔の意義大きい」
文科省に初登庁した永岡文科相
【協賛企画】
広 告

 8月10日に発足した第2次岸田改造内閣で初入閣した永岡桂子文科相は同日夜、文科省に初登庁し、就任記者会見に臨んだ。児童虐待やいじめ、貧困など、子供を巡る問題が複雑化している状況を踏まえ、こども家庭庁の設置について「司令塔としての意義は大きい」と評価し、連携への意気込みを見せるとともに、教育については文科省が責任を持ってその充実を図り、一貫性・継続性を担保すると述べた。また重点課題として、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や働き方改革の推進、休日の部活動の地域移行の推進などを挙げ、現場の多様な声を受け止めて政策を進める意向を示した。

 永岡文科相は、取り組みたい分野として▽個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実▽教師などの指導・研修体制の充実と、働き方改革の推進▽教育未来創造会議の第1次提言の確実な実行▽各教育段階での負担軽減による学びの保障▽わが国全体の研究力の向上に向けた環境整備▽休日の部活動の地域移行の推進▽佐渡金山の世界文化遺産への推薦・登録――を挙げた。

 その上で「着任後はさまざまな現場に赴き、多様な声をしっかり受け止めて、文部科学行政を通じて国民の皆様が夢と希望を持って、それを実現できる世の中を作っていきたい」と意気込んだ。

 また、来年4月にこども家庭庁の設置が予定されていることを踏まえ、「児童虐待やいじめ、貧困、少子化対策など、子供を巡る課題は複雑化、多岐にわたり、対応していく上で本当に大変だと思う。司令塔としてこども家庭庁が設置されることは、大きな意義があること。司令塔としての意義は大きいと思っている。文科省としては良き相談相手、パートナーができたという感じがする。しっかりとこども家庭庁と連携をさせていただいて、政策を進めていきたいと考えている」と述べた。

 その上で「こども家庭庁の設置後も、教育については文科省が責任を持ってその充実を図るということにしているし、教育の一貫性、継続性はそれで保たれると思っている。そして、やはり福祉との連携はしっかりしなければいけない。その充実を図りながら政策に取り組んでまいりたい」と強調した。

 また校則の在り方や、子供の意見表明権について考えを問われると、「校則は社会の常識や時代の変化を踏まえ、絶えず積極的に見直していくことが重要。校則が児童・生徒のよりよい行動の指針として機能するように、見直すことの必要性の周知徹底に努めたい。文科省としては児童生徒が校則の見直しを通じて、身近な課題を自ら解決することは教育的な意義を有することと考えている。その必要性についても周知を徹底していきたい」と話した。

 さらに深刻な状況が続くいじめ問題については、「いじめは本当に、決して許してはいけない行為だと思っている。いじめによって子供たちが本当に深く傷つくことがあるので、それがあってはならない。学校の現場において、いじめ防止対策推進法に基づいて対応がなされるよう、しっかりと取り組んでまいりたい」と語った。

 永岡氏は衆議院茨城7区選出、当選6回で68歳。自民党麻生派に所属している。衆議院議員だった夫の洋治氏が死去したのを受け、2005年の衆議院選挙に自民党公認で立候補し、初当選した。農林水産政務官、厚生労働副大臣、衆議院文部科学委員長、文部科学副大臣、自民党副幹事長などを歴任している。文科副大臣に任命されたのは18年10月で、科学技術・学術、文化を担当した。

広 告
広 告