5~11歳のワクチン接種「決めるのは親と子供本人」 文科相

5~11歳のワクチン接種「決めるのは親と子供本人」 文科相
就任後2回目となった記者会見で、質疑に応じる永岡文科相
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 新型コロナウイルス感染症対策で、厚労省の専門家会議が5歳から11歳の子供へのワクチン接種を「努力義務」としたことについて、永岡桂子文科相は8月15日の閣議後会見で、「ワクチンを打つか打たないかを決めるのは、親御さんであり、子供本人と考えている」と述べ、厚労省と連携して保護者などへの情報提供に取り組んでいく考えを示した。文科省では、すでにワクチン接種の「努力義務」が適用されている12歳以上の子供について、接種は強制ではなく、子供本人や保護者の判断が尊重されるべきだとした上で、子供本人や保護者が自分で接種の判断ができるようにワクチンの効果や副反応、相談先の情報などを周知することが重要として学校現場に協力を求めており、5歳から11歳の子供へのワクチン接種についても、同様の対応になるとみられる。

 永岡文科相は「児童や生徒、そして保護者が接種の判断を行う。そのためにはワクチンの効果とか、副反応、また接種に関する相談先の情報などについて十分に周知されていることが重要だと考えている」と説明。厚労省が児童生徒向けに作成したリーフレットに触れながら、「厚労省に協力して、保護者などへの広報、情報提供などに取り組んでいく」と述べた。

 5歳から11歳の子供に対する新型コロナウイルスワクチンの接種は、今年2月に各自治体で開始された。このとき、厚労省は接種の呼び掛けは行うとしながらも、オミクロン株に対する有効性が明確でなかったことなどから、当面は「努力義務」にはしないと判断していた。これについて、厚労省の専門家会議は8月8日の分科会で、オミクロン株への効果や安全性に関するデータが集まってきたとして「努力義務」とすることを了承した。厚労省では9月にも政令を改正し、5歳から11歳のワクチン接種を「努力義務」とする方針。

 5歳から11歳のワクチン接種が「努力義務」となることについて、文科省では「ワクチンの接種は、子供本人と保護者が決めることで、学校から『努力義務だから、接種してください』などと働き掛けることはない。学校の教員が、子供たちや保護者から相談されたときには、ワクチンの効果や副反応などを説明した厚労省のリーフレットや各自治体の相談窓口を紹介してください、というスタンスをとっている。厚労省が政令を改正して5歳から11歳のワクチン接種を『努力義務』としたときの対応はまだ決めていないが、いまのところ文科省のスタンスを変えるつもりはない」(初等中等教育局健康教育・食育課)と説明している。

 各自治体で5歳から11歳の子供に対するワクチン接種が始まったことを受け、文科省は2月21日に、厚労省、内閣府とともに幼児と児童生徒に対するワクチン接種の留意事項をまとめ、都道府県の教育委員会などに事務連絡で周知した。この中で、学校を会場とした集団接種について「同調圧力を生みがち」などとして推奨しないことを強調する一方、個別接種については、16歳未満の接種には保護者の同意、小学生以下の接種には保護者の同伴が必要と明記している。

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