夏休みで乱れがちな生活習慣。2学期が始まるのに備え、睡眠から見直そう――。富山大学地域連携推進機構地域医療・保健支援部門はこのほど、子どもの「眠育」を家庭で考えるための子ども向け解説動画を、YouTubeで配信する取り組みを始めた。同学教育学部共同教員養成課程の澤聡美研究室のゼミ生が考案した、寝る前に行うと効果的なストレッチも紹介している。
布団に入っても30分以上寝付けない状態は「入眠困難」と呼ばれ、睡眠の質や生活習慣の悪化に影響するとされている。同部門の藤村裕子コーディネーターらのグループが中学1年生と高校1年生の入眠困難と生活習慣の関連要因を分析したところ、長期的には男子では低い自己肯定感と、女子では朝食の欠食、長いゲーム時間、登校回避感情などと関連があることが示された。
この結果を踏まえ、藤村コーディネーターは子どもの入眠困難の関連要因を基に、家庭で睡眠の重要性について考え、生活習慣を見直す「眠育」の解説動画を作成。小学校高学年版、中学生版、大人版の3つを用意し、YouTube上で配信している。
合わせて、同学教育学部共同教員養成課程の澤聡美研究室のゼミ生である教育学部(人間発達科学部)の伊藤藍里さん、遠藤夏葵さん、寺口夢音さん、土居正弥さんが、寝る前にやると効果的な「ぐっすりストレッチ」を新たに考案。こちらの動画も上半身、下半身、全身の各バージョンをYouTubeで公開している。
藤村コーディネーターは「子どもの睡眠習慣は本人が変えるのは難しく、保護者がサポートする必要がある。この機会に親子で見直してもらえたら。子どもの就寝時刻を大人の就寝時刻に合わせず、朝起きる時刻も一定にして、太陽光を浴びて体内時計のスイッチが入るようにすることを心掛けてほしい」とアドバイスする。
「ぐっすりストレッチ」について澤講師は「健康教育は大変なものではなく、楽しくリラックスしてやるもの。親子の楽しみの一つとして取り組んでもらえたら」と期待を寄せる。ストレッチを考案した学生の一人である遠藤さんは「いろいろな人にやってもらいたいと、ストレッチは手軽に無理せず、ちゃんと体がほぐせるように意識した。道具も使わないので、家庭だけでなく学校の宿泊を伴う活動などでも活用できるのでは」と提案する。