8月3日からの大雨や台風により、床上浸水や校庭への土砂流入といった被害のあった幼稚園や学校は、14道県で41校に上ることが、文科省のまとめで8月17日、分かった。文科省は3日に「災害情報連絡室」を設置。全国の国立大学法人、都道府県の教育委員会などに対し、児童生徒の安全確保と被害状況の把握、二次災害防止を要請している。また被害を受けた学校では、約2週間後の学校再開に向けて、職員や児童らが夏休み返上で復旧作業にあたる姿が見られた。
8月3日からの大雨や台風による被害(文科省まとめ、8月17日午前9時現在)
文科省の取りまとめによると、3日からの大雨や台風で、床上浸水や土砂流入など物的な被害を受けた学校は17日午前9時現在で、▽幼稚園4園▽小学校11校▽中学校5校▽高校10校▽特別支援学校3校▽大学など8校――の計41校に上った。都道府県別にみると、▽新潟9校▽山形5校▽岩手、福島各4校▽北海道、青森、千葉、石川各3校▽富山2校▽福井、三重、兵庫、岡山、佐賀各1校。また新潟県の小学校1校、中学校2校が避難所となっている。
このうち、富山市立山室小学校(池渕晃校長、児童522人)では、13日からの大雨で用水路や貯水槽の水があふれ、玄関から校内に水が浸入。1階にある職員室や1年生の教室などが1~2センチ程度、水に漬かった。池渕校長は「滝のような雨が2~30分降り続いた。バリアフリーにしていることもあり、水が奥まで入ってきてしまった」と振り返る。14日に行われた復旧作業には、児童や教職員ら約70人が夏休み返上で参加。校舎内に入った水をワイパーやモップを使って取り出すなど、学校再開に向けて懸命に作業にあたった。
職員室の床の配線部分に水が残っていたり、廊下の板張りがいたるところで、浮いていたりするなど、大雨の影響はまだあるものの、29日の学校再開には影響はないという。池渕校長は「児童には、廊下は特に気を付けて歩くよう呼び掛けたい」と話した。
また、全壊1棟を含む、少なくとも1377棟に住宅被害があった新潟県村上市では、市内の中学校2カ所に16日午後1時現在、計69人が避難している。同市役所によると、避難した住民は今後、別の避難所に移動。中学校の避難所は19日までに閉鎖する予定としている。加えて、公立学校3校で床上浸水や陥没といった被害があったものの、学校再開に影響はないという。
山形県と福島県では、4日に行われる予定だった今年度の第1回高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)の1日目を中止。影響のあった受験者を対象に、8月25日に再試験の実施を決定した。