日本小児科学会は8月17日、年齢や病気、障害の有無にかかわらず、全ての子どもたちを対象に策定した「医療における子ども憲章」のポスターなどの啓発資料を公表した。子どもが医療を受ける際の11の権利を解説し、憲章にうたわれている権利にのっとって、子どもにさまざまな事柄や状況を説明したり、子どもと一緒に考えたり、意見表明が難しい場合は、その子の考えや気持ちをアドボケイトしたりするなど、医療における子どもアドボカシーの指標の一つとして活用を呼び掛けている。
日本国憲法や国連の子どもの権利条約の条文とひも付けられる形で策定されたこの憲章では▽人として大切にされ、自分らしく生きる▽子どもにとって一番よいこと(子どもの最善の利益)を考えてもらう▽安心・安全な環境で生活する▽病院などで親や大切な人といっしょにいる▽必要なことを教えてもらい、自分の気持ち・希望・意見を伝える▽希望どおりにならなかったときに理由を説明してもらう▽差別されず、こころやからだを傷つけられない▽自分のことを勝手にだれかに言われない▽病気のときも遊んだり勉強したりする▽訓練を受けたスタッフから治療とケアを受ける▽今だけではなく将来も続けて医療やケアを受ける――の11の権利を定めている。
憲章は3月に同学会こどもの生活環境改善委員会の医療と子ども憲章作成小委員会が、子どもたちの意見やパブリックコメントなどを経て策定。今回作成されたポスターを医療施設で掲示するなどして、医療関係者や保護者への啓発につなげる。