夏休み明けの自殺防止 永岡文科相が学校関係者などにメッセージ

夏休み明けの自殺防止 永岡文科相が学校関係者などにメッセージ
iStock.com/FREDERICA ABAN
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 夏休み明けには、児童生徒の自殺者数が増加する傾向にあることを受け、永岡桂子文科相は8月22日、自殺防止に向けたメッセージを、小学生、中高生、学生、学校関係者と保護者など、それぞれに対して同省のホームページやSNSで発信した。児童生徒や学生には、▽悩みや不安を抱えていても決して一人ではなく、家族や先生、スクールカウンセラー、周りの友達など誰にでも悩みを話してみてほしい▽周囲に相談しづらいときには、24時間子供SOSダイヤルや各地・各大学などの相談窓口、電話やメール、ネットといったさまざまな相談ツールを活用してほしい▽元気がない友達がいたら、積極的に声を掛けてあげてほしい――などと呼び掛けた。保護者にも児童生徒が見せる、▽これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う▽成績が急に落ちる▽注意が集中できなくなる▽身だしなみを気にしなくなる▽健康管理や自己管理がおろそかになる――といったサインを見逃さないよう求めている。

 文科省では相談窓口については、ツイッターやフェイスブックの公式アカウントからも周知を図っている。

 メッセージは次の通り。

小学生のみなさんへ~不安や悩みがあったら話してみよう~

 夏休みが終わり、学校で久しぶりに友達と話をしたり、みんなで勉強したりできるのが楽しみな人もいるでしょう。もしかすると、いつもの生活や学校生活に困ったことや嫌なことがある人、学校が始まることが不安な人もいるかもしれません。だれにでも不安やなやみはあるものです。一人でかかえこまず、家族や先生、学校のスクールカウンセラー、友達、だれでもよいので、なやみを話してみませんか。

 どうしても周りの人に話しづらいときには、電話やメール、ネットで相談できる窓口もあります。人に相談することは決してはずかしいことではなく、生きていくうえで必要な大切なことですので、ためらわずにまずは相談してみましょう。相談窓口では、いつでもあなたの悩みを聞いてくれる人がいます。

 もし、あなたの周りに元気がない友達がいたら、ぜひ積極的に声をかけて、しんらいできる大人につないであげてください。また、身近に相談できる場所としてどんなところがあるのか調べてみましょう。

中学生・高校生のみなさんへ~不安や悩みを話してみよう~

 夏休み明け、新たに学校が始まることで、自分自身の進路の問題や、家庭内の問題、あるいは友人関係などの不安や悩みが出てくるかもしれません。

 誰にでも悩みや不安はあります。悩みや不安を一人で抱え込まず、家族、先生、スクールカウンセラー、周りの友達、誰にでもいいからあなたの悩みを話してみませんか。必ずあなたの味方になってくれる人がいます。周りの人に相談しづらいときは、電話やメール、ネットで相談できる窓口もあります。気軽にあなたの悩みを話してみてください。人に相談することは決して恥ずかしいことではなく、社会で生きていく上で必要な大切なことです。相談窓口では、いつでもあなたの悩みを聞いてくれる人がいます。

 もし、あなたの周りに元気がない友達がいたら、積極的に声をかけて、信頼できる大人につないでください。また、自分や友人が悩みや不安を抱えた時に相談できる機関として身近なところにどのようなところがあるのか調べてみましょう。

学生等のみなさんへ

 長期休業期間中から休業明けにかけて、自身の将来のキャリアや学業について、あるいは人間関係等について、悩んだり、不安を感じたりすることはありませんか。そんなときには、家族、友人、学校の教職員等、誰かにあなたの悩みを話してみてください。一人で悩んで解決しないことも、誰かに相談することで悩みの解消につながります。絶対に、一人で悩みを抱え込まないようにしてください。

 各大学等にはみなさんの支えになるための相談窓口があります。また、各地域には電話やSNSなどで相談できる窓口があります。身近な人には話しにくいことも、大学等や地域の窓口になら相談できるかもしれません。悩みや不安があるときは、ぜひ利用してみてください。相談窓口では、いつでもあなたの悩みを聞いてくれる人がいます。

 また、あなたの周囲に元気がない人がいたら、ぜひ積極的に声をかけてあげてください。あなたの声がけが、身近な人の悩みや不安を和らげることにつながります。

保護者や学校関係者等のみなさまへ

 コロナ禍において、児童生徒等の自殺者数が大きく増加しています。また、長期休業明けには、児童生徒等の自殺者数が増加する傾向にあり、不安や悩みを抱える子供たちが増えることも考えられます。

  • これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う
  • 成績が急に落ちる
  • 注意が集中できなくなる
  • 身だしなみを気にしなくなる
  • 健康管理や自己管理がおろそかになる
  • 不眠、食欲不振、体重減少などのさまざまな身体の不調を訴える

 保護者や学校関係者、地域のみなさまにおかれましては、こうした子供の態度に現れる微妙なサインに注意を払っていただき、子供たちの不安や悩みの声に耳を傾けて適切に受け止めていただくとともに、学校、家庭、地域、警察や医療機関などの関係機関等で緊密な連携体制を築いていただきますようお願いいたします。

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