学校に総額裁量予算 都道府県・政令市4割、市区町村1割

学校に総額裁量予算 都道府県・政令市4割、市区町村1割
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 文科省は8月23日、教育委員会の現状に関する調査(2020年度間)の結果を公表した。学校配当予算の総額が予算項目ごとではなく、総枠として学校に配当される総額裁量予算制度を導入している教委は、都道府県・政令市で40.3%(前回2018年度41.8%)市区町村で10.7%(同9.6%)にとどまった。

図1 学校裁量予算を導入している教育委員会の割合
図1 学校裁量予算を導入している教育委員会の割合

 また学校が企画提案した独自の取り組みについて査定し、特別の予算を措置している教委は都道府県・政令市で29.9%(同38.8%)、市区町村で14.6%(同16.0%)となっており、近年の調査では停滞傾向がみられる=図1参照

図2 学校管理規則で、学校の各種取り組みについて許可・承認による関与を行わないこととしている教育委員会の割合
図2 学校管理規則で、学校の各種取り組みについて許可・承認による関与を行わないこととしている教育委員会の割合

 同調査ではまた、学校管理規則で、学校のさまざまな取り組みについて許可・承認による関与を行わないこととしている教委の割合も調べた=図2参照。最も割合が高かったのは「副教材の使用(補助教材)」に関してで、都道府県・政令市の91.0%、市区町村の84.8%が、教委の許可・承認を必要としないと回答した。

 副教材の使用に次いで割合が高かったのは「教育課程の編成」(都道府県・政令市86.6%、市区町村84.1%)、「宿泊を伴う学校行事の決定(修学旅行)」(都道府県・政令市85.1%、市区町村68.1%)だった。一方で「学期の設定」は都道府県・政令市の52.2%、市区町村の17.1%と低かった。

 学校の裁量拡大は、各学校がそれぞれの教育理念や教育方針に基づき、また地域の状況などに応じた自主的・自律的な学校運営を行うために重要とされ、教育委員会規則の改正や学校予算の配分方法の工夫などが求められている。

 今回の調査は67の全都道府県・政令市教委、1718の市区町村教委(特別区、広域連合および共同設置の教委を含み、一部事務組合を含まない)を対象に行われ、調査時点は2020年度間または21年3月31日時点(一部項目は19年5月1日時点)。19年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、調査を実施していない。

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