「総合的な探究の時間」の課題感 指導教員の負担大きく

「総合的な探究の時間」の課題感 指導教員の負担大きく
【協賛企画】
広 告

 新学習指導要領への移行により高校で本格的に始まった「総合的な探究の時間」に関して、指導する教員の半数程度が「生徒からの質問に答えるための情報を調べる時間や、大学の研究室などに問い合わせるネットワークがない」などと答えていることが、大学生による放課後の学習支援などを行うトモノカイの調査で8月22日、明らかとなった。「総合的な探究の時間」では生徒がより専門性の高いテーマに取り組むため、指導をする教員の負担が大きくなっている状況が浮かび上がった。

「総合的な探究の時間」で感じる課題
「総合的な探究の時間」で感じる課題

 調査は、7月14~28日に、全国の高校の教員にインターネットで実施。360人の教員が回答し、そのうち301人は「総合的な探究の時間」の指導経験があった。

 指導経験のある教員が、「総合的な探究の時間」を教えていて感じる課題は、▽生徒からの質問に答えるために情報を調べる時間がない 23.2%▽生徒からの質問に答えるために大学の研究室などに問い合わせるネットワークがない 22.2%▽生徒からの質問に答える方法がわからない 4.6%▽生徒からの質問の専門性が高く、答えられる知識がない 3.3%▽その他 46.5%――で、「その他」には「生徒の様子を見て、的確なアドバイスができているのかがわからない」「課題の設定、解決策の提案などを生徒に考えさせる指導方法がわからない」「生徒の発想の引き出し方が難しい」「教員の共通理解が得られていない」などがあった。

 このような課題をどのように解決しているかを尋ねたところ、最も多かったのは「教員同士で指導法を検討」で43.1%、次いで「指導法をレクチャーするセミナーに参加」が21.9%だった。一方で、「何も検討していない」も8.6%あった。

広 告
広 告